東京のつらい場所

トラウマ巡りの旅。

Part7-2 @東京タワー(夜景)

もりたが恋愛絡み・男絡みで手痛い思いをした場所を実際に巡りながら、つらい思い出を振り返っていく企画「東京のつらい場所」。東京タワーで思い出の夜景を眺めながら、飯田橋の彼とのすれ違いを振り返り、あの頃抱いていた想いを整理していきます。東京タワー編最終回。

(付き添い・記事編集:Ryota、2018年7月8日収録)

 

想いの比重とすれ違い

 

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もりた(以下:M) 夜景待ちしてやっと夜になったわけですが、やっぱり日中とは雰囲気が違うよね!

 

Ryota(以下:R) 天井もキラキラしてるし、ロマンチックな感じ。

 

M あっ…、ちょっと泣きそう…。

 

R マジで!?

 

M だって、「関係をハッキリさせたい」っていつ切り出すか、迷ってたのを思い出したら…。

 

R 意を決して言ったんだもんね。それで付き合い始めて。

 

M その1週間後に指輪を買ってもらうわけですが…冷静に考えて、1週間で指輪を買うって早くね?

 

R え、今(笑)? 俺は最初にその話を聞いたときから「早いな」って思ってたよ。

 

M 今となっては「1週間って早ぇな」って思ってたけど、あの瞬間は浮かれてたから…。やっと付き合えたけど「本当に彼は私のこと好きなのかな?」って不安だったところに、向こうから「指輪しようよ」って言われてさ。しかも左手の薬指なんてマックスに浮かれるでしょ~。「やっぱりあの人も私のことが好きなんだ!」って気持ちが盛り上がっちゃった。

 

R 指輪を買って不安をサクッと払拭するあたり、女の扱いが上手いんだよな、飯田橋の彼は。

 

M 上手いよね~。しかも会うのも月1回とか2回だったから、指輪なんてもらったら、より嬉しいじゃん。

 

R え、付き合ってからもそんなペースでしか会ってないの?

 

M そうだよ。毎日連絡はしてたけどね。電話とかもしょっちゅうだったし。

 

R それはどっちが忙しいから?

 

M うーん、どっちも忙しかったし、住んでる距離の問題もあったし、家が厳しかったから…。

 

R まだ実家暮らしだもんね。

 

M 八王子と飯田橋だからね…。塾講師のバイトがあったから夜も忙しくて、土日にバイトが入るときもあったし。今考えると、そんな状態でよく2年も続いたなぁ。

 

R 振り返ってみて、あの頃から関係がおかしくなってきたんじゃないかと思うのはいつ頃なの。

 

M 2年生になって、彼がサークルの幹事長になった頃かな。

 

R やっぱりサークルか。

 

M 彼がサークル中心の生活に切り替えちゃったから、土日に会えないことが増えたのね。夏休みは、私が塾の夏季講習に入っちゃったから平日に全部出たり、下手したら月曜から土曜まで15時以降は全部授業になったり。

 

R 超忙しいじゃん。

 

M 意外と売れっ子講師だったんで(笑)。

 

R 何教えてたの?

 

M 国語と英語。あと社会。国語は全部ひとりで回してたから。

 

R 敏腕だな!

 

M その頃からもう私は仕事大好きマンだったわけ。

 

R 彼氏から「バイトより俺を優先して」って言われなかった?

 

M 言われないよ。「私はバイトだから」「俺はサークルあるから」って感じで、お互い良い距離感でやってた。会いたい時は早めに予定を立てて、私はそこにシフトを組まないようにするし、彼もそこに予定を入れないようにする。そういう手順を取ってたんだけど…。彼の中で、サークルの比重がどんどん重くなっていったんだろうね。

 

R お互い好きなものにある程度リソースを割くのであれば、ちゃんと2人の時間も確保しようって、決めてたはずなのに…。

 

M 私から見たら、7:3くらいでサークルの方を大切にしてるように見えてたけど、彼は5:5でやってるつもりだったんだよ。

 

R もりたとしては、自分のやりたいこともあるけれど、ある程度の愛は欲しいぜって思ってたわけだ。

 

M そう、5:5の比重でいたかった。

 

R で、最終的には、渋谷で彼から別れ話をされるわけだが…。話を聞いてると、彼の前の彼女と同じコースを辿った可能性がありそう。彼は恋人よりも何かしら優先しちゃうものがある人だったんだな。

 

M それはあるかも。たぶん、私の後に付き合った人とも「彼女とうまく行ってないから別れようと思ってるんだよね」って相談から入って付き合ってるはず!

 

R ははは(笑)。でも、その新しい女とはまだ続いてるっぽいんでしょ?

 

M そうなんだよ! Facebookのステータスを見たらまだ交際中だったし。

 

R お前もうFacebook見るな(笑)! 新しい彼女は、自分の比重が下がってもOKだったのかな。

 

M もしくはそれ以上に自由を愛する系だったのか…。

 

どこが好きだったんだろう?

 

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M ここから二人で夜景を見たなぁ。ちょうどY字路の上を高速道路が横切ってて、ヒトデみたいな形に見えるでしょ?

 

R ほんとだ。ヒトデというか、星型というか。

 

M 思いを伝えるかどうか悩んでる最中だったんだけど、その時、急に彼に手をキュッと握られて…、「私の気持ちも知らないで! ズルい人!」って心の中で叫んだ(笑)。「気持ちがあやふやなまま、手を握られたくらいで一喜一憂して、精神がつらくなっていくのはもうやめたい!」って、ここで覚悟を決めたんだ。

 

R 関係がハッキリしてないのに、手なんか握られたら、そりゃ「コレはなんなの!?」って思うわな。

 

M ほんとだよ。こっちの気も知らないで、ズルいよ。

 

R 確かにズルいよなぁ。もりたは頑張ってたのに。

 

M なんか私、肯定してもらってるぞ(笑)。

 

R 基本的に俺、もりたの話聞いてる限りでは「飯田橋の彼、嫌なヤツだな」って思ってるよ(笑)。

 

M でも、あの人はあの人でいいところもあるんだよ…こうやってかばうのもよくないんだけどさぁ(笑)!

 

R ははは(笑)、もりたの思う、彼の良いところはどこだったの?

 

M 連絡は毎日くれるし…。

 

R でもデートは遅刻するし、連絡くれると言っても「ちょっと時間わかんないけど遅れるわ」とかでしょ?

 

M うーん…、そうだけどさぁ…

 

R 俺はこの企画で、もりたから飯田橋の彼に対しての愚痴みたいなところばかり聞いてるわけ。ここでやっぱり、もりたが彼のことをなぜ好きだったのか、どこが好きだったのかというところをちゃんと確認しておきたい。急に手をぎゅっと握られてときめくというのは、わかる。気持ちが揺れるのはわかるけれど、最終的に「私は彼が好きだ」って思った決め手はなんだったんだろう。

 

M やっぱり、考え方とか好みが一致してたのが良かったと思うんだよなぁ。好きなものも一緒、嫌いなものも一緒、やりたいことの方向も一緒。特に嫌いなものがほぼぴったりだったのは大きかったかも。好きなものは合わせられるけど、嫌いなものって合わせにくいから。ライフプランを考える上でも、結婚はしたいけど子供は欲しくないとか、そういう一般的には合いにくい条件がすごく合ってたの。だから居心地よかったんだよなぁ。

 

R そこまでフィットしてたのか。ただ、やりたいことと付き合っている人の比重をどうするかっていう、その一点だけがズレちゃってたんだね。

 

M 彼ね、「さっぱりしてる君が好き」って言ってたんですよ。「他の子みたいにネチネチ言わないから」って。だからそういう自分であるようにしてたけど、でも最後は結局、「私の方が大切じゃないの?」って言っちゃったんだよね。それは彼が思い描いていた、“好きな私”じゃないじゃん。そのズレが大きくなっていったんだよなぁ、きっと。

 

R 前に「もしも今まで付き合った人の誰とでも復縁できるなら、飯田橋の彼とやり直したい」って言ってたじゃん。今、改めて付き合ったとして、うまく行く気はする?

 

M わかんない。あの時は良いと思えていたことも、価値観が変わって、嫌なことになってる可能性があるだろうからね。でも昔みたいに、彼が忙しくてなかなか会えない日が続いても、うまく対応できるようになってるとは思う(笑)。一人で楽しむ方法もいろいろと知ってるし、友達もいっぱいいるし、仕事も充実してるし。ちゃんと怒ったり、話し合って解決したり、いろんな戦略を立てて長く関係を継続していこうと工夫できると思う。あのころは結構、私の一人相撲だったから。

 

R 彼にちゃんと怒れないって言ってたもんね。新宿都庁の時に悪夢の話をしてたじゃないですか。夢の中で、飯田橋の彼に怒りたいのに怒れなくて、泣きながら目覚めるっていう。まだあの夢って見ることある?

 

M 最近はそこまでしんどかったり、切羽詰まってないたりしてないからか、昔ほどは見なくなったかな。

 

R 最近のもりたの話を聞いてたら、仕事は割といい感じでやってるし、プライベートも安定してるみたいだし、やっぱり悪夢に打ち勝つにはもりたがご機嫌でいることが大切だよね。

 

M 自分の機嫌を良くする術を知るべきだね。ほんとに、それって大切だなぁ。

 

R さて、残るつらい場所は渋谷と飯田橋。あと2回だよ。ちょっとずつトラウマ克服できてる?

 

M いや、ヘコんでる(笑)。

 

R 頑張ってよ(笑)。

 

M だってさっきも手を握られたことを思い出して、一瞬泣きそうになったもん。

 

R まぁね、こんなに綺麗な夜景を見て手を握られたら、ときめいちゃうよね。

 

M でもさ、この夜景一緒に見たらさ、告白の勝率上がる気がしない?

 

R 上がると思う。まぁ、窓がちょっと汚いけど。

 

M うん、窓汚い(笑)。

 

R ちゃんと拭けよなぁ。

 

M しかたないよ、こんなに高いところなんだもん(笑)。誰も届かないよ。

 

Ryotaによる追記

東京タワー編の収録後、中華料理屋でもりたと夕食を食べました。食事中、飯田橋の彼のFacebookを覗いたもりたは、「交際中」のステータスが消えていることに気付きます。さらに彼のTwitterから、恋人と別れたことを匂わせるツイートを発見! もりたは「正直なこと言っていい?…マジで嬉しい」と言って、レモンサワーをぐびぐび飲んでおりました(笑)。

 

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Part7-1 @東京タワー(階段で登頂)

もりたが恋愛絡み・男絡みで手痛い思いをした場所を実際に巡りながら、つらい思い出を振り返っていく企画「東京のつらい場所」。今回は過去の彼氏全員と登ったことがあるという東京タワーを訪ねます。飯田橋の彼と付き合うことになったのもこの場所だそうですが…。

(付き添い・記事編集:Ryota、2018年7月8日収録)

 

別れた男全員と登ってる

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もりた(以下:M) さぁ、今回は東京タワーですよ!

 

Ryota(以下:R) 俺は東京タワーに来るのが初めてだから、2階の土産物屋さんとか見てきたんですけど、洗練されてたソラマチに比べて、何だかやる気のない雰囲気だよね…。似顔絵屋のおっちゃんが爆睡してたよ(笑)。

 

M この力の抜けた感じがいいんだよ(笑)!

 

R 今までデートでは何人と来たの。

 

M 男で言えば、カビゴンと来て、飯田橋の彼と来て、大学時代の彼と来て…。過去に別れた男全員と登ってるな。

 

R 「過去に付き合ってた男」じゃなくて「過去に別れた男」って言い方になるのね(笑)。結局付き合わなかったけど、いい感じの雰囲気になった男とかは?

 

M あー、いたかもしれないけど、記憶を抹消してますねぇ(笑)。

 

R ははは(笑)。

 

M 後は一人で登りに来たりとか。

 

R 一人でも結構来るの?

 

M 時々、「ヒルナンデスで紹介されました」って看板を出してる、やる気のない手相占いの人がいるんだけどね(笑)、2000円くらいで手相を見てくれるから、ストレスが溜まってる時は金を払って愚痴を聞いてもらってる。

 

R それで来てるのか(笑)。

 

M 会社の事業所も近かったりして、よくこの辺りは通りかかるからさ。さて、今回は階段で展望デッキまで登るよ!

 

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R 「もう後戻りはできないぞ…」って、なんで脅し口調なんだよ、ノッポン兄…。

 

M ノッポン兄、ちょっとやさぐれてるんだよなぁ(笑)。

 

R 階段は全部で何段あるの?

 

M 600段かな。今まで登場した彼氏とは全員、階段で登ってるはず。

 

R 最初に来たのがカビゴンでしょ?

 

M そう、カビゴンとは高校のときに登った。部活で忙しかったから、デートらしいデートで行った数少ない場所なんじゃないかな。

 

R それから飯田橋の彼。

 

M 飯田橋の彼の話はあとでするから飛ばして(笑)、ドームシティの彼とも登った。確か冬だったんじゃないかなぁ。高さがある分、ものすごい寒いんだよね…。

 

R 「東京タワーに行こう」っていうのはどっちから言うの?

 

M あんまり覚えてないけど、東京タワーが好きだから、私の方から誘ってた気がするなぁ。

 

飯田橋の彼と登るまで

 

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R 「せっかくだから東京に向かって何か叫んでみたらどうだ」らしいから、なんか叫んで。

 

M (小声で)東京は、つらい場所~。

 

R 声が弱いよ(笑)。ここは「〇〇のバカヤロー!」とか、そういうこと言えよ。

 

M うーん、そんな元気ないな。

 

R ははは(笑)。

 

M そういう人を恨むカロリーがもったいないよ、恨みって自分に跳ね返ってきちゃうから。

 

R えらい! さすが仏教の本を読んだだけある。

 

M 仏教を支えにしてるから(笑)!

 

R そろそろ展望デッキに近づいてきたから、飯田橋の彼の話に移ろうか。2人とも高いところに登るのが好きだったって、前に言ってたよね。都庁の展望台とかさ。

 

M そうなんだよね。どこでも登っちゃう。

 

R 飯田橋の彼とは何回か来たの?

 

M ううん、東京タワーは一回だけ。でも、付き合うか付き合わないかの話に持ち込んだ場所なので、いろんな意味で感慨深いわけですよ。

 

R ここで正式に付き合うことになったんだもんね。

 

M そもそも私と付き合い始める前、ヤツには彼女が居たんだけど、何人かと飲みに行ってる時に「今の彼女と合わないから、別れた方がいいのか悩んでるんだよね」って話してきたの。「それ、私に言って何がしたいんだろう…」って思いますよね。

 

R 「彼女と別れたい」って話を聞いた時点では、飯田橋の彼に対してどういう気持ちだったの。

 

M 良い人だとは思ってたけど、「付き合いたい」とかは考えてなかったかな…。鎌倉行った話ってしたっけ。

 

R 手をつなぐか、つながないかの話でしょ。

 

M そうそう、「二人で鎌倉に行こう」って誘われて、遊びに行ったんですよ。まだヤツには彼女がいた頃だけど、私も男友達は多かったから、「まぁ、友達としてだよね」って思ってたんだけどなぁ…。歩いている途中、ヤツがこちらをチラチラ見てくるんですよ。「どうしたの?」って聞いたら、「せっかくデートしに来たから、いつ手をつなごうかなと思って」って言われて、「え~!そういう風に来ちゃう!?」って。

 

R そんな気なかったのに。

 

M どう返していいのか分からず、パニックですよ。

 

R それって結局手をつないだんだっけ。

 

M 夏の鎌倉の、紫陽花が咲いてるようなところに階段があって、私がちょっとよろけそうになった時にスッと手を取られてそのまま。「私、手汗がヤバいんですけど…」と思ったんだけど、彼から「だめ? 嫌だった?」って言われて「いや、そんなことはないけど…」というわけで結局つないだ。

 

R シチュエーションが甘酸っぱすぎるな(笑)。

 

M そんなこんなしているうちに、ついにヤツが彼女と別れたんですよ。夏の終わりごろだったかな。その後、「会おうよ」って話になった時に、タワーに登ることになって。

 

R 「登ろう」ってどっちが言ったの?

 

M 「どこか行きたいところ、ある?」って聞いて、向こうが「東京タワーかな」って決めたんじゃなかったかな。その頃にはもう「ダメだ、こりゃあいつのことが好きだな」ともりたも観念してたんですよ。「もうこれ好きだよ、どうしようもないよ」って感じ。

 

R ははは(笑)。

 

M 「このまま曖昧な関係のままでいるのはつらいから、ちゃんと付き合いたいな」って思って、決着を付けようと気合を入れてきた場所がここ、東京タワーですよ! よっしゃ、展望デッキに到着!

 

R 階段で登るの結構しんどいな、汗だくだよ!

 

M あち~。いい運動でしたわ…。

 

もりた、ハッキリさせにいく

 

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R 決戦当日、彼とはどういうやりとりをしたの?

 

M まず、日中ご飯に行って、夕方くらいに東京タワーに来て、夜景を見て、展望デッキから降りてきた後くらいかな。「私はもう、曖昧なことしたくないよ」って言ったの。

 

R 自分から切り出したか。

 

M だって向こうは、そんな話をするつもりないからね。

 

R 基本的にもりたの方から行くからなぁ。

 

M もりたから切り出しがち問題ね。向こうがなんだかのんびりしてるから、こっちとしては「さっさとハッキリしたいんじゃ!」っていう感じ。

 

R その結果、自ら息の根を止めたりするわけだけど。

 

M そういうのがダメなんだよなぁ~。友達から「もりたちゃんは駆け引きがへたくそ。『どっちだと思います?』くらいで行ったほうが男は楽しいんだよ。そうやってバキっと割り切るオンナは、面倒くさくなって切りたくなっちゃうものなの!」って言われたもんなぁ。

 

R でも、もりたからしたら駆け引きの時間がもったいないもんね。

 

M そうそう、もったいない。

 

R ダメならダメできっぱり終わらせたいし、いいならいいで早く結論出して、イチャつきたいわけでしょ?

 

M そう! 効率第一主義だから! 「曖昧なことはしたくない。一緒にいて楽しいし、それは私があなたを好きだからだけど…」って言って。

 

R そこでもう「好きだから」って言ったの?

 

M だって、ちゃんとそこで説明しなきゃわかんないでしょ! 「私は好きだから会ってるけど、あなたがどう考えてるかわかんない。傷つくのは嫌だから、このまま曖昧な関係を続けるなら私はもう会いたくない」って言ったら、ヤツが「言わせてごめんね」って。

 

R 出た!

 

M みんなすぐそうやって言うんだよ!

 

R なんか、飯田橋の彼のキャラが分かるよなぁ。「言わせてごめんね」とか、自分のこと優先して遅刻とかとかね…。

 

M あいつの性格がわかるよね、そういうところで。

 

R 「言わせてごめんね」って言われて、イラっとしなかったの?

 

M その時は、もうここで会えないかもしれないと思って、不安で泣きそうだったからさぁ…。

 

R ここでダメだったらこれまでなんだけど、もりたはもう好きになっちゃってるしね。

 

M 好きだって思ってるし会いたいけど、脈が無いなら関係を切らないとまた傷つくし。だからハッキリさせにいったんだよ。

 

R もりた、偉いなぁ。

 

M 「言わせてごめんね、俺も好きだよ、だから一緒にいてほしいんだよ」って彼から言われて、私はちょっと泣いて。

 

R で、そこから付き合って…。

 

M 地獄の2年間が始まるわけですよ!

 

R ははは(笑)。

 

M もちろんハッピーだったこともあるけどね(笑)。そういう始まりの場所だったのが東京タワーなんだよね。たぶん普通のタイミングだったらそんな話できなかったし、ここに来なかったら付き合ってなかったかも。

 

R 夜景の効果もあった?

 

M 確かに夜景のエモさに引っ張られたのもあるかなぁ。しかもその日は、彼が「水玉が似合う人が好き」って言うから、新しく水玉のワンピースも買って、新しい靴もおろしてさぁ…。

 

R なんか、もりたって偉いよね。頑張ってる。

 

M 頑張って決めにいったんだもん!

 

R よし、じゃあそんなもりたを後押しした夜景を見よう!

 

 

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Part6-3 @東京スカイツリー(ソラマチ)

もりたが恋愛絡み・男絡みで手痛い思いをした場所を実際に巡りながら、つらい思い出を振り返っていく企画「東京のつらい場所」。“飯田橋の彼”と付き合っていた当時、スカイツリーに登れなかった代わりに巡ったソラマチのお店を訪ねます。東京スカイツリー編最終回。

(付き添い・記事編集:Ryota、2018年5月19日収録)

 

涙腺弱すぎ問題

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R スカイツリーを降りて、ソラマチに向かいますよ。

 

M ソラマチ飯田橋の彼と一緒に回ったから、いろいろと記憶が染みついてるはず…。

 

R もしかして、ソラマチの方がトラウマ強い?

 

M うん、地雷が埋まってる可能性は高いね。

 

R これからもうひと山あるのか(笑)。

 

M ソラマチに行く前にさ、彼がホットチョコレートを買ってくれて、それを飲みながら2人でスカイツリーを見上げたんだよね。「スカイツリーきれいだね、大きいね」って私が言ったら、彼が「10年後なら空いてるだろうから、その頃に登ろうよ」って。

 

R 「遅刻しておきながら、お前が10年後って決めるなよ!」って感じだよな。

 

M でも、すんなり「わかった!」ってなっちゃったんだよぉ~。あー、飯田橋の彼はあの後、スカイツリーに登ったのかな…。

 

R サクッと1年後くらいに登ってる可能性はあるよ(笑)。

 

M 私じゃない女とな…。

 

R もう彼のFacebook見てないの?

 

M いや、たまに…。

 

R やっぱり見てるのね(笑)。

 

M 仕事がつらい時に、「あいつを見返すために、私は偉くならなきゃいけない!」って思うためについつい見ちゃう。

 

R 仕事のモチベーションアップかよ(笑)。でも、「10年後」っていう彼との呪いも解けて、スカイツリーに来られるようになったわけだし。

 

M …。

 

R なってないの(笑)。

 

M どうだろう、わかんない。

 

R 今日の様子を見てると、普通に来られるようになってる感じがするけどなぁ。あとは夜景に慣れる必要があるけど。

 

M 夜景に弱いんだよね。高速道路とかで窓の外に流れてる夜景とか、見てると自然に泣けてきちゃう。

 

R 涙もろいなぁ。

 

M 最近は本当に涙腺が弱くなってるんだよなぁ。この前のゴールデンウィークに旅行に行ったんだけど、家に帰ってきて一人で紅茶を飲んでた時に、「あ、私、いま東京で一人暮らしをして、ちゃんと自分で立って歩けてるんだな」って思ったら、それだけで涙が出そうになったよね(笑)。

 

R そんなに涙もろいと、生きるのに支障が出てくるな(笑)。

 

M 26年分の傷を抱えて生きてるわけですからね~。ではそろそろ、暗黒のソラマチに行きますか!

 

R ソラマチに「暗黒」って形容詞付けるのお前だけだよ(笑)!

 

M だってつらいんだもん(笑)!

 

 

無限に試せる塩の専門店

R ほら、ソラマチ楽しそうじゃん。外国人の子供とかはしゃいでるじゃん。

 

M 私の分まではしゃいでくれ…。

 

R 子供に託すな(笑)。飯田橋の彼とはどの店に行ったの?

 

M まずは塩の専門店。ここで買った塩で料理を作ろうねって約束したけど、結局作らずに終わった。

 

R 「私が手料理ふるまっちゃうぞ」的なノリだったのに。

 

M そうなんだよなぁ…。ここはね、色んな種類の塩が売っていて、全部試食できるの。

 

R マジで!?

 

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M ほら、試食用の塩が並んでるでしょ。おにぎり専用の塩とか、ドレッシング用とか、メニューごとに作られた塩があったりするんだよ。チョコの塩とか試食できるよ。食べる?

 

R ちょっとほしい。

 

M はい。

 

R ありがとー。

 

M・R …おいしい~。

 

M カレー風味の塩とか、こういうのを見て、飯田橋の彼とめちゃくちゃはしゃいだ記憶がある。「このフライドポテトの塩とかすごくよくない?」って言って。

 

R へ~、フライドポテト専用の塩!

 

M 相変わらずおいしいな。

 

R さっきから塩舐めてばっかりだな(笑)。

 

M オニオンの塩もおいしいんだよ。

 

R 俺にもちょうだい…あ、おいしい。

 

M 揚げたてのポテトにかけてもおいしいし、サラダとか野菜系にもおすすめです。

 

R これはいいデートスポットだな、お互いに塩かけあって。

 

M そう、「どの塩がいい?」って感じで盛り上がるわけ。

 

R オニオン塩、フライドポテト用の塩に、ハイビスカス塩とか、抹茶塩もあるね。塩焼きそば用の塩に、マーボー塩…。

 

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M ネギ塩とかね。辛いダイナマイト塩とかあると、試しに舐めて「辛い!」とか言ってワーワー盛り上がったりするのが、まぁ楽しいんですよ…。あ! これめっちゃおいしい!

 

R ドレッシングソルトとマヨネーズ…旨いな。

 

M 混ぜただけとは思えないクオリティ。

 

R 岩塩もあるよ。

 

M おいしい…。これは肉に合うやつだな…。

 

R 塩舐めすぎだよ(笑)。でも、確かにこれは楽しい。いい感じのデートをしてたんだね。

 

怒りを忘れた食品サンプル専門店

M 色んな塩を見て「すごいね!たのしいね!」ってテンションが爆上がりしたところで、食品サンプルの店に突入ですよ。

 

R おぉ、ほんとに食品サンプルだけの店だ! 面白い!

 

M そう、2人とも食品サンプルが好きで、合羽橋にある専門店にもよく見に行ってた。

 

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R あー、これ、テレビで見たことあるぞ! 面白いサンプルを作ってるところだ。

 

M 質感とかすごいよね。食品サンプルキットも売ってるから、「一緒に作りたいね」って話をして盛り上がったんですよ。

 

R 向こうで塩を舐めて「今度料理作るね」って言って、こっちで食品サンプル見て「今度一緒に作ろうよ」って色んな約束をしたわけだ。そのうち叶えられた約束はあったのかい?

 

M えーと、無いかなぁ~(笑)。

 

R なんて悲しい話だ(笑)。

 

M でも、やっぱりこういうところに来ると気分が盛り上がるんだよね~。これとか可愛いよね。

 

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R おぉ、クリップになってるんだ!

 

M デート中、こういうのを見ながらすごくはしゃいでたなぁ。

 

R じゃあ、ここに来た頃には2時間遅刻されたこととか忘れてたんだ。

 

M すっかり忘れてたね(笑)。

 

R あの頃のもりた、ちょろいな(笑)!

 

M ディズニーランドに行くのに3時間遅刻されたときは、それまでふつふつと溜まっていたものが爆発したけど…、ここではちょろかった(笑)。彼が買おうか悩んでたのはこれだね。ベーコンの栞。

 

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R これいいな。味のりもある。

 

M この入り口のところでもテンション上がったなぁ。「この中でどれ食べたい?」って話で盛り上がった。「このローストビーフいいよね」とか、「卵乗ってるやつが、黄身がトロッとしてていいよね」とかさ。

 

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R めっちゃ良いデートしてるじゃん。何で別れちゃったの(笑)?

 

M …私も何で別れちゃったのか、こっちが知りたいよ(笑)!

 

R ははは(笑)。スカイツリー登らなくても、ソラマチだけで充分デートできるな。

 

M そう、お店がいっぱいあるから。おすすめですよ!

 

R 久しぶりにソラマチを回ってみてどうだった?

 

M じわじわとはダメージを食らったけど、いつもほどではないかな。飯田橋に比べたらほぼノーダメージなのかもしれない。

 

R じゃあやっぱり、最終的には飯田橋に向かわないとね。

 

M あと何回くらいで行けるかなぁ。

 

R 次が東京タワーでしょ。で、その次に別れ話をされた渋谷のポムの樹でオムライスを食べて、その次はいよいよ飯田橋ですよ。

 

M うわー、あと3回か。頑張るしかないね!

 

R とは言いつつ、飯田橋以外は割と平気なんじゃない?

 

M なんだかんだその後も行ってたりするからなぁ。でも、ポムの樹のオムライスはもう食べれる気がしないよ!

 

R いやいや(笑)、頑張って食べに行きましょ。

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Part6-2 @東京スカイツリー(展望階)

もりたが恋愛絡み・男絡みで手痛い思いをした場所を実際に巡りながら、つらい思い出を振り返っていく企画「東京のつらい場所」。“飯田橋の彼”と別れた後も「10年後に登ろうね」という約束が心に引っかかり、スカイツリーを避けていたもりた。しかし、マッチングアプリで知り合ったお兄さんから「スカイツリーに登ろう」と誘われ、ある決意を固める…。

(付き添い・記事編集:Ryota、2018年5月19日収録)

 

もりた、仏教に目覚める

Ryota(以下:R) エレベーターで、サクッと展望デッキまで上がってきたよ。おー、めっちゃいい景色!

 

もりた(以下:M) 曇ってるけど、結構きれいだね。

 

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R さて、お兄さんに「呪いを解きに行こう」って言われて、もりたとしてはどういう心境だったの?

 

M 「確かに、いつまでも過去に縛られてちゃよくないよな」って思った。ちょうどそいつと気まずくなって疎遠だったころ、苛立ちを落ち着かせるために、いろんな仏教の説法の本を読んでた時期があったんだけど…。

 

R よっぽど苛立ってたんだな(笑)。

 

M 結構、真面目に読み込んでたんだよ。説法では「執着を捨てなさい」っていう話がよく出てくるの。人との縁は勝手に結ばれるもので、いい縁だったらどうやってもずっと結ばれ続けるし、悪い縁は放っておいても自然にほどける。だから一度疎遠になったとしても、本当にそれがいい縁だったらどこかでまた勝手に会えるようになっている、って。

 

R こういう風にまた会えたのだから、もしかしたらいい縁なのではないかと。

 

M まぁ、それが友達としての縁であっても、結ばれてるんだなと思って、私の中でその説法とそのとき起こってることがひとつにつながったわけ。そう考えれば、飯田橋の彼との縁も、それがいいものであればまた結ばれるんじゃないかと思った。「10年後…」とかわざわざ口実を作らなくても、自然に会えるんじゃないかって。逆に、飯田橋の彼との思い出に縛られて、執着する汚れた気持ちを持っていたら会えるものも会えないんじゃないかと。

 

R ガッツリ仏教入ってるな(笑)。

 

M 「呪いを解きに行こうよ」って言われた瞬間にそう思ったの。だから「一緒に行ってくれるんなら…、行きたい」って言って登った。上がるまでは吐き気がするくらい気が重かったんだけど、展望階に着いて、エレベーターのドアがバーンと開いて、一面の夜景が目の前に広がっているのを見た瞬間、「あ、意外と簡単に呪いって解けるんだ」って思ったんですよ。

 

R おぉ、思ったより大丈夫だったんだ。

 

M ちょっと泣きそうにはなったんだけど(笑)、風景を見たら「きれいだな、東京って」って素直な感動が湧きあがってきた。登る前は、飯田橋の彼に対して、ちょっと罪悪感を抱くんじゃないかと思ったのね。

 

R 「約束破っちゃったな」って。

 

M そう、「別の男の人と来ちゃったなぁ」とか。でも、そんなことは全然思わなくて「うわぁ、きれい。来れてよかった」って普通に感動できた。その時に、「私は自分で自分に呪いをかけていただけなんだ」って気付いて「大丈夫、私、意外とちゃんと生きていける」って思えたんだ。

 

R なんか、いい話だなぁ。

 

M と言いつつ…、もう一つ上の展望回廊に行くエレベーターを待ってた時に、斜め前に並んでた人が飯田橋の彼にすごく似てて「えっ!?」ってものすごい動揺しちゃって。

 

R ははは(笑)、やっぱり引きずってるんだな。

 

M 「呪いが解けた」と思いつつも、実はどこかで面影を探しちゃってたんじゃないかとは思う。

 

R じゃあ、その展望回廊にも上がってみようか。

 

“街行くカップル”の真実を悟る

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R 展望回廊、すごい景色だな。床がちょっと斜めになってるんだ。

 

M そうそう、歩いているうちにちょっとずつ目線が上がっていくようになってるの。夜景がよかったんだよなぁ。高層ビルの航空障害灯がチカチカしててさ。ここ、お兄さんと歩いてる時にエモい気持ちになってしまって、別の意味で泣きそうになったんだよね。

 

R あー、すごくいい雰囲気だったってこと?

 

M もちろん、雰囲気がよかったのもあるんだけど…。やっぱり夜景が見える時間帯って、カップルのお客さんが多いわけ。で、「これって傍から見たら私たちも、じゃれ合ってる仲のいいカップルに見えるんだろうな」って思ったのね。それこそ、お兄さんが一眼レフを持ってたから、「お前がカッコつけて一眼レフで写真撮ってるところを私が撮ってやる!」「やめて~! 撮るんならちゃんとカッコよく撮って」とか話してた時に(笑)、ふと隣のカップルを見たら同じようなことを言ってたから、「私たち、周りの人からカップルだって思われてるんだろうな」って。でも、逆に考えると、私が羨ましがってたその隣のカップルも実はカップルじゃなくて、もしかしたら私たちみたいな単なる友達同士なのかもしれないでしょ。そこで、世界の真実に気付きまして。

 

R 真実?

 

M 私の周りのカップルに見えている人も、実はカップルじゃない方が大多数なんじゃないかと。

 

R 周りにいる仲良さそうな男女と、独りでいる自分を比べて落ち込んだり傷つくこともあったけれど、自分とお兄さんがそういう感じで仲良くしてるってことは、世の中の男女もみんながみんな付き合ってるわけじゃないのでは…、ってことか。

 

M 「お前ら、幸せそうにしやがって!」って勝手にひがんでたけど、彼らももしかしたら私と同じように傷ついているのかもしれないと思った瞬間、ちょっと世界をやさしく思えた。

 

R すげぇ、悟りの境地だ! 仏教ガッツリ入ってるな(笑)。

 

M 風景を眺めながら、「あの辺が私の家かな」って話とかするでしょ。海沿いの方を指さしたお兄さんに「あの辺の、光が揺らめいて見えるところが僕の家だよ」って言われて、彼の横顔を見た時に「あっ…、このまま何か始まらないかな」と思ったけど何も始まらなかったね(笑)。

 

R カップルに見えるところまではいったけど、カップルにはなれなかったよという話か(笑)。

 

M なれなかったし、ならなかったし。別に今も仲のいい友達だし、相変わらずお互いにそういう風には思ってないけど、スカイツリーにだって意外と孤独な人が集まってるのかもなって。

 

R こういうところに来るとみんな楽しそうに見えるもんね。でも、もしかしたらもりたのようなケースもあるのではないかと。確かに「ほら、あのあたりが職場で…」とか、会話だけ聞いたらカップルだと思っちゃうもんな。

 

M そうでしょ? あ、あの辺りとか綺麗だよ。

 

R ホントだ、雲の切れ間に光が差し込んでて。

 

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M あ、東京タワーも見える!

 

R うわー、小っちゃいな!

 

M あっちの方がお台場でしょ。で、向こうに海があるけど、あれが舞浜辺りでディズニーシーがちょっと見えるんだよね~。

 

R おぉ…、つらい場所探訪から、完全に観光へシフトしてるな(笑)。

 

M いいじゃない。私だってつらいばっかりじゃ生きていけないんだからね!

 

R 確かに(笑)。今回、スカイツリーに登るのは2回目だったわけだけど、今の心境はどんな感じ?

 

M やっぱり来るまではしんどかったけど、登っちゃえば何ともないんだと思う。ところどころ「ウッ…」となるところはあったけど、都庁の展望台の時ほど「死ぬ…」という感じではなかった。

 

R 話を聞いてると、つらい場所でもあるけど、傷が癒えた場所でもあったという感じだもんね。

 

M そう、みんなに言いたいもん。「意外と呪いは解けるよ」って。だからといって、解くために頑張れとは絶対言えないけど。

 

R 「呪いを解きに行くぞ!」って無理して行くのはつらいもんな。百合展のついでに登ることを、その場で決めたのが大きかったよね。

 

M そうだね、ふとした拍子で行ったのは大きかったと思う。

 

R そう考えると、行くたびにちゃんとつらい飯田橋ってやっぱりすごいんだな(笑)。

 

M だってこの前も仕事で飯田橋に行った時に、吐きそうになってTwitterの人たちにめっちゃ励ましてもらったから。

 

R 飯田橋は強いなぁ(笑)。

 

M 最強だよ。死んじゃうかと思ったもん。「このままノーリターンしていいですか?」って会社に電話かけそうになったもんね。

Part6-1 @東京スカイツリー(登るまで)

もりたが恋愛絡み・男絡みで手痛い思いをした場所を実際に巡りながら、つらい思い出を振り返っていく企画「東京のつらい場所」。今回訪れた東京スカイツリーも、“飯田橋の彼”との因縁の場所。もりたが長らくスカイツリー登頂を避け続けていた理由とは…?

(付き添い・記事編集:Ryota、2018年5月19日収録)

 

「10年後に登ろうね」

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もりた(以下:M) いや~、来ちゃいましたね、スカイツリー編ですよ。

 

Ryota(以下:R) 来ちゃったね。

 

M 今朝、スカイツリーに登ることを考えたらちょっと体調悪くなっちゃった。本当に、スカイツリーは因縁の場所なんですよね~。

 

R 飯田橋の彼と「スカイツリーが完成したら行こうね」って約束してたんでしょ?

 

M 彼と付き合ってた時は、まだスカイツリーが建設されている途中だったんだよね。元々高いところに登るのが好きな我々でしたから、もちろん完成したら登ろうって話になるわけですよ。

 

R なるほど。

 

M で、スカイツリーが完成して、いよいよ登りに行くことになったんだけど、その頃って、彼がサークルばっかり優先する件で揉めてた時期なんですよね。有楽町~東京駅編の時に、彼が女の子を家に泊めたって話したでしょ?

 

R 彼が酔っぱらった女の子を仕方なく家に泊めて、その件でちょっと揉めたんだよね。

 

M それそれ。その次の週にスカイツリー行く約束してたんだよ。平日だったんだけど私はバイトが無くて、彼も予定を空けてくれてたから、学校が終わった後に押上駅で集合することになってたの。なのに、私が約束の10分前くらいに駅に着いた瞬間、彼から「ごめん、サークルが長引いてて、2時間くらい遅れる」って連絡があって。

 

R 出た! お決まりのパターンだ。

 

M そこから押上のベンチで2時間ぼーっと待ってたのね。

 

R それはちゃんと2時間以内で来た?

 

M 2時間で来たよ。一応走ってきた(笑)。サークルのことで揉めたばっかりだから、今回はちゃんと文句を言おうと思ったんだよ。でも、その前の年のクリスマスにプレゼントした手編みのマフラーを首に巻いて「待ったよね、ごめんね!」って駆け寄ってきた彼を見て、許しちゃいました。

 

R 「可愛いヤツめ」ってなったんだ。

 

M 「まぁ、私、愛されてるからいいかな」って。私、チョロかったな(笑)。

 

R それはチョロいなぁ(笑)。ちょっと待って、それってディズニーランドに行く待ち合わせで3時間遅刻される前でしょ?

 

M そう、スカイツリーが11月で、ディズニーランドが12月。

 

R 時系列的には「女の子を家に上げた」→「スカイツリーに2時間遅刻」→「ディズニーランドに3時間遅刻」なわけだ。

 

M 徐々に遅刻する時間が伸びてる。

 

R なるほど、反省の色がないね(笑)。

 

M で、2時間遅れでやっとスカイツリーに登れると思ったんだけど、完成してまだ半年も経ってない頃だったから、めちゃくちゃ混んでて。チケットカウンターに行ったら「2時間後くらい後じゃないと入れません」って言われたのね、その時は、私もまだ実家暮らしで門限があったから、そんなに待ってられないということで、結局登るのは断念。

 

R うわ、結果的に、遅刻した彼氏を2時間待っただけかよ…。

 

M ちょっとソラマチをぶらっと回ったけどね~。外からライトアップされているスカイツリーを見上げて、彼が買ってくれたホットチョコレートを飲みながら「きれいだね」って言ったりして。「10年後ならきっと空いてるから、またその頃に登りに来ようね」って彼が言ったんですよ。

 

R 10年後まで見据えた関係だと、暗に言ってくれたわけだ。えーっと、「10年後に登りに来ようね」って言ってから何年くらいで別れたんでしたっけ。

 

M それから半年足らずで2人の関係は終焉を迎え、「10年後なら一緒に登れるね」という言葉の呪縛によって、私はスカイツリーに登ることができなくなってしまったわけです…。その後も何度かスカイツリーの下まで来ることはあったけど、1回も登らなかった。なぜなら彼と10年後に登る約束をしたから…。

 

R それは彼と復縁する可能性を考えて登らなかったのか、近づくと思い出すからなのか、どういう意識で避けてたの?

 

M うーん、まぁ、復縁する可能性はないと思ってたけど、10年後に連絡とろうかなとは正直思ってた。10年経てば普通に友達として話せるんじゃないかなって。

 

R 「あの頃、約束したしさ、まぁお互い状況が変わっているとはいえ、せっかくだから登ろうよ」ってこと?

 

M 「だから、会おうよ」って。

 

R 会う口実?

 

M まぁ、会う口実。

 

R 10年越しの?

 

M そう、

 

R それは…、しんどいなぁ(笑)。

 

M まぁ、未練がましいよね。自分でも「登れよ」って思うよ(笑)。

 

R でも登らなかったわけだ。

 

M ずるずるとごまかしてたね。地方にいる友達が東京に遊びに来ると「スカイツリーに行きたい」って言うから、その度に来てはいるんだけど。

 

R 友達から「スカイツリー行こう」って言われて「いいよ」って応えるわけじゃん? で、スカイツリーの下までは来て…、そのあとはどうするの? まさか友達だけ登らせるとか…

 

M そんなことしないよ(笑)! ソラマチを巡ったりとか、浅草・合羽橋に行くプランを混ぜ込んで、「ここはあくまで買い物をする場所から、登らない」って言い切る。「やっぱり登るんだったら東京タワーだと思うんだよね~」とか。

 

R ははは(笑)、なるほどなぁ。

 

M 「スカイツリーは見るものだから! ここはソラマチで買い物楽しむような場所!」って。

 

R そうやって数年間、友達と遊びに来ることはあっても登るのは避けてたと。

 

M 登らずとも近くに来るだけで、心が削られる音がしてたからね。「うわっ…、10年後まであと7年…」って思ったりして。

 

R 10年後の約束のために、耐えたわけだ。

 

「呪いを解きに行こうよ」

M そういうわけで去年までずっと登らなかったんですよね。別れたのが2012年だから…、5・6年間くらい。

 

R でも、登るきっかけが訪れたんでしょ。

 

M そう! それはRyotaさんと「東京のつらい場所」をやりましょうって言い始めてた頃ですよ。その時は、企画のゴールをスカイツリーにしようって言ってたでしょ。ラストにスカイツリーに登ったら、呪縛も解けて最高だねって。

 

R あー、この企画を本格的に始める前に、「こういうドキュメンタリーやったら面白いよね」って話してた頃。

 

M その話をしたすぐ後に、呪いを解きに行ってしまったんですよ。

 

R どういう経緯で登ることになったの?

 

M 一瞬「付き合いたいな」と思ってたけど、別にどうにもならなかったお兄さんと行ったわけなんだけど。

 

R そのお兄さんは何関係で知り合った人?

 

M そのお兄さんは…あいつは何関係だ…?

 

R ははは(笑)。

 

M あー、マッチングアプリで知り合ったんだな。それで、普通に仲のいいお友達になったんですよ。本当に気が合ったから、毎週会ってるような時期もあって、「こんなに仲いいならさ、付き合っちゃったほうがよくない?」って言ったの。

 

R お、こっちから切り出しましたか。

 

M でも、お兄さんから「やっぱり恋愛対象としては考えられない」って言われまして…。その後も会う約束はしてたんだけど、「当分会うのを控えたい」って言われて「これは疎遠にされて終わったな…」って思った。私は友達を続けられると思ったけど、そうじゃなかったんだなって。

 

R それでもう、この人と今後の関係はないなと悟った。

 

M むしろ、一周回ってイラっとしちゃったかな。脈が無いとは思ってたけど、私は正面切って言ったのに、向こうはLINEで返事を済ませてきて。不誠実じゃん。私はそういうの超嫌いだから…。

 

R それで嫌になっちゃったんだ。

 

M 「はいはい、もういいです」って疎遠になって、半年くらい経ったんだけど、ある日、向こうから「会えないって僕から言ったくせになんだけどさぁ、やっぱり仲良くしたいから飲みに行かない?」って言われて、飲みに行って。

 

R それ、相手はどういう心境の変化だったの?

 

M 「やっぱり気が合う友達だし、あんな形で終わりたくないなと思って」って言われた。「お前は本当に自分勝手だな!」って思ったけど、それから何回か妙にデートっぽいことをしたんだよねぇ…。で、「今日暇? 百合展をやってるから一緒に観に行かない?」って誘われたから行ってみたら、彼が一眼レフのカメラを持って現れて「今日さ、写真撮りに行きたいから百合展を観終わったら、スカイツリーに登らない?」って言われて。

 

R 向こうは、元カレと「10年経ったら…」っていう約束したのは知ってたの?

 

M うっすら話してたとは思うけど。

 

R 彼もなんとなくスカイツリーの因縁の件は知ってるわけだ。

 

M 「前も言ったけど、私さぁ、スカイツリーに行けない呪いをかけられてるから」って言ったら、彼が「じゃあ、僕と一緒に呪いを解きに行こうよ」って言ってくれて。

 

R おー、かっこいいこと言うじゃん!

 

M 言うことはかっこいいんだよなー。別にいい奴じゃないけど(笑)。

 

R ひどいな(笑)。…と、話している間に、エスカレーターのところまで来ましたよ。いよいよスカイツリーに登ります!

 

M うわっ、まだ心の準備が…。

 

R いや、もう呪いは解けたんでしょ(笑)。

 

M 解けたとはいえ、つらいもんはつらいよ(笑)。

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Part5-4 @御茶ノ水~東京ドームシティ(東京ドームシティ・後編)

もりたが恋愛絡み・男絡みで手痛い思いをした場所を実際に巡りながら、つらい思い出を振り返っていく企画「東京のつらい場所」。束縛が強かったという3番目の彼氏のエピソードを話しながら、東京ドームシティを歩くもりた。ある場所で唐突に記憶のフタが開きます…。

(付き添い・記事編集:Ryota、2018年2月19日収録)

やさぐれた3番目の彼氏

もりた(以下:M) 3番目の彼のことは一緒にいて本当に嫌いになりそうだと思ったから、「これ以上あなたを嫌いになる前に別れたい」って言って別れた。その彼は煙草も嫌いでお酒も全然飲めない、ギャンブルなんてもってのほかな人だったのに、別れたのがきっかけで、タバコ吸ってお酒浴びるように飲んでギャンブルで全財産失うような状態になってしまって…。

 

Ryota(以下:R) マジで!? 転落していったのか。

 

M 今はもう落ち着いたらしいんだけど、一時期そういうヤバい状態になってたね。「これ以上嫌いになりたくない、別れても友達ではいたい」って思ってんだけど、ある日、大学の階段ですれ違ったときに「あ、おつかれ」って手を振ったらムッて顔をされたのね。「何怒ってるのこいつ? 私何もしてないのに」って思ってたら、彼がTwitterで「こんなことだろうと思ったよ。どうせ二番になってて」みたいなことを書いてて。どうやら、手を振った時に私が彼の嫌いそうなゴツい指輪を付けてるのが見えて、それを他の男からもらったものだと勘違いしたらしい。自分で買ったやつだったんだけど…(笑)。それから大学にいる間、ずっと口をきいてもらえなくなっちゃった。

 

R しんどいですなぁ。

 

M ただ、彼とは去年再会して、やさぐれた感じではなくなってたね。彼女と結婚に向けて現在同棲中らしいので、そのまま結婚して幸せになってほしい。けど、帰り際に「その彼女のことはそれなりに好きだけど、あのときほど誰かのことを好きになれないと思うんだよね」って言われまして…。

 

R お前すごいな、またもや過去最高の女になってる(笑)。

 

M それを聞いて「やべぇ、もう二度と会わないようにしよう!」って思った。

 

R 過去最高の女になりがちなもりた。なんでそんなことに…。

 

M うーん、多分、いい別れ方をしてないからじゃないかな。私が飯田橋の彼のことにしがみついてるのも、私が納得できてないからだって思うのね。カビゴンにしろ3番目の彼にしろ、納得できてないから引きずるんじゃないかな。

 

R なるほどなぁ。この企画では飯田橋の彼に触れがちだけど、前後も割とつらい思い出になってるわけだ。

 

M まぁ、飯田橋前後はつらいというよりも、人格を曲げてしまって申し訳ありませんでしたっていう気持ちだけどね…(笑)。

 

思い出がフラッシュバック!

 

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R 一旦収録を終えて東京ドームシティをうろうろしてたんですけど、もりたが急に何かを思い出したっぽいので収録再開します!

 

M 愛知のお兄さんと遊びに来てた件で、3番目の彼と揉めたじゃないですか。揉めた年のクリスマス、彼とここにイルミネーション見に来てたわ…。唐突に思い出した…! うわっ、ぞわぞわしてきたっ!

 

R 彼と来たときは揉めたりしなかったの?

 

M うん、大丈夫だったはず。夜にきれいなイルミネーション見て回って、このアーチをくぐって、そのあと品川プリンスホテルに泊まって、クリスマスプレゼントに指輪もらったんだ!

 

R お前また指輪もらってんのかよ(笑)!

 

M ちゃんと付き合った彼氏はみんな指輪くれる~(笑)。でも、それはペアリングじゃなかったな。「薬指にはめてね」ってもらったんだ。「俺はつけるのちょっと恥ずかしいし、バイトのときに外しちゃうから失くしちゃうのも嫌だし…。でも君のことは大切だからつけてほしい」ってはめてもらったのを今、思い出した! ダイアモンド付いてるやつだった。小っちゃいやつだったけどね。

 

R おー、ちゃんとジュエリーじゃん。それにしてもここに他の男と来て揉めたのに、二人で来たのはすごいな。

 

M まぁ揉めてから一応半年くらいは経ってたからね。でも、向こうは途中で思い出してちょっとムッとはしてた。「俺が最初に来たかったのにな~」って言ってたよ。いや~、私自身すっかり忘れてたよ! 東京ドームシティに対してのつらい度が増したかもしれない(笑)。

 

R 傷口が広がってるな(笑)。

 

M …あ! そのときだけじゃないわ! ここ、あいつと何回か来てるぞ! 思い出してきた!

 

R もりたの記憶のふたが開いてる!

 

M うわー! 急に思い出したことによってパニックだよ(笑)! 彼が割引券を持ってて、結構東京ドームシティに遊びに来てたんだった! その時に彼とめっちゃハマってたところがあるからそこ行こう!

 

R 実際の場所を歩くという、この企画の醍醐味が発揮されている!

 

M 「東京ドームシティのつらさ、こんなに軽いもんだったっけ?」って思ってたけど、あったよ! 忘れてたよ! びっくりしちゃったよ、自分でも!

 

R テンション上がってるな(笑)。

 

M 上がってきてるよ! 何回も来てるじゃねぇか、あいつと! 3番目の彼との結構なデートスポットだったわ!

 

R 結構来てたんだね(笑)。

 

M すっぽり記憶から抜けてたわ! ドームシティ内に、杖を使って魔法を使えるようになる疑似体験ができるアトラクションがあるんですけど、杖を買って二人でやりこんでたんだよ! 別れてから一回もやってないから、やりたいんだよ!

 

R それって期間限定的なやつじゃないの?

 

M あ、あそこだよな? あぁ…、クローズしてる。終わっちゃったんだ…。「マジクエスト」っていうすごくダサい名前のアトラクションだったんだよ。略してマジクエ。しかも1時間しか魔法が使えなくて、それを過ぎると杖を振っても「魔法の時間はもう終わりだよ」って言われるだけの。それがめちゃくちゃ悲しい気持ちになるの。

 

R マジクエストの跡地は「ギャラリー・アーモ」っていう展示スペースになってるね。

 

M ギャラリー・アーモとか言われても知らねぇ…。ここはマジクエストだったよ…。

 

R 検索してみたけど、マジクエストは2016年の9月30日で営業終了してるね。

 

M うー、切ない。やりこんでたのに…。

 

R もともとアメリカ生まれのアトラクションみたいですよ。

 

M そうそう、テイストがアメリカっぽかったもん。

 

R あっ、マジクエスト、今は愛知県蒲郡にあるらしいよ。

 

M じゃあ愛知に行くしかねぇ!

 

R ははは(笑)。じゃあ、彼と何回も来てたんじゃん。

 

M 来てたけど、その時はマジクエストに直行してたからなぁ。遊園地には全然行かなくて、入ってすぐマジクエ。でも初回のとき杖を買ってるから、お互い集合するときには杖持参だったね(笑)。

 

R それは全部、愛知のお兄さんの件より後の話?

 

M 後だね。

 

R じゃあ「最初に来たかったな~」って彼氏に言われた後に「また行こうよ」って話になって、マジクエストにハマったんだな。でもそんなマジクエも今はもうないと。蒲郡だから。むしろ愛知のお兄さんの方が近いっていう。

 

M 確かに! お兄さんに会いに行くついでにマジクエしてこようかな~(笑)。たぶん実家にまだ杖があるよ。セーブデータが引き継がれてるならまだできる。

 

R 杖とセーブデータが紐づけされてるの?

 

M そうそう、そのままデータがセーブされてるから杖一本あればできるんですよ。しかも呪文を覚えるために集めなきゃいけないものがあるんだけど、まずその作業に時間がかかるわけですよ。で、呪文をいくつか使えないと、ボス戦にいけないんだけど、呪文を1つ覚えるのに1時間経っちゃう。

 

R じゃあ何回も通わないといけないんだ(笑)。

 

M 最初のボス戦には行ってるはずだから、3~4回は通ってるんじゃないかな。

 

R なるほどな~、で、話したいことは全部話した?

 

M OK! なんかつらさは増した気がするけど(笑)!

 

R いやぁ、やっぱり実際の場所を歩くと思いだすもんだね。

Part5-3 @御茶ノ水~東京ドームシティ(東京ドームシティ・前編)

もりたが恋愛絡み・男絡みで手痛い思いをした場所を実際に巡りながら、つらい思い出を振り返っていく企画「東京のつらい場所」。御茶ノ水では高校時代の初カレとの思い出を振り返ったもりた。東京ドームシティでは、3番目の彼氏について話します。

  (付き添い・記事編集:Ryota、2018年2月19日収録)

3番目にできた彼氏

 

Ryota(以下:R) さぁ、東京ドームシティですよ。

 

もりた(以下:M) ここは3番目の彼氏絡みのエピソードがあるんだよね。カビゴンと別れてから、飯田橋の彼と付き合うようになり、「君とは惰性で付き合っていた」と言われて振られちゃうわけだけど、その次の日に大学の男友達と遊びに行く約束をしていまして。

 

R 振られた次の日に?

 

M そうそう、ちょうどゴールデンウィーク中で、表参道にある岡本太郎記念館に行こうって前から約束してたんだよ。

 

R その友達はもりたが振られたっていうことを、そのときは知ってたの?

 

M 合流した時点では知らないけど、彼氏とめちゃめちゃラブラブだったのは知ってたし、「ちょっと最近、彼氏との関係が危うい感じなんだよね」っていうことは話してた。遊びに行く前日は彼氏と演劇を見に行くっていうのも言ってたから「昨日のデートどうだったの? 『彼氏とはもうダメかも』とか言ってたけど、どうにかなった?」みたいな感じで聞かれて、「いや…、振られた…」って答えて(笑)。「嘘!? あんなにラブラブだったじゃん、お前ら」「『お前とは惰性で付き合ってた』とか言われたんだけど~」みたいな会話をしましたね。

 

R 悲しいなぁ(笑)。でも、翌日に友達と会う約束があってよかったよね。翌日に何も予定がなくて一人で過ごすほうがつらいもんね。

 

M もし一人だったら、本当にただ泣くだけだったと思う(笑)。でも、その友達と話して、あとクレープもおごってもらって(笑)、割と気が晴れたんだよね。それから数日経って仲間内のグループLINEで「みんな、ゴールデンウィークにどこか出かけました?」って話題になったときに、その友達が「俺は家でゴロゴロしてるだけでした」って書いてたんだよね。「あれ? お前、私と遊んだよね?」とは思ったけど、「これ、なんか言わないほうがいいやつなのかな…?」って空気を読んで、そのことには触れなかったんですよ。

 

R 「なんか変だな」とは思ったもののスルーしたんだな。

 

M その後も彼とはお昼ご飯を食べたり、一緒にちょこちょこ遊んだり、連絡も取りあってて…、向こうもちょっと悩んでたんだろうね。私が振られて傷ついてるのもわかってるから。

 

R あー、じゃあ、前からその男友達はもりたのことが好きだったんだ。

 

M そうそう。そのうち、いくら勘が鈍い私でも「この人、私のこと好きなんだろうな」とは気づいたんだけど…。ある日、「俺さ、実はさ、最初に会ったときからいいなと思ってて…。一目ぼれだったんだけど、そのときはもりたに彼氏いたから、『彼氏いるしなぁ…。でも好きだなぁ…』ってずっと思ってたんだよね」と言われまして。「最初に会ったときから」って言うけど、それって入学式のことなんですよ。「今、私たち大学3年生だけど、お前2年以上そんなこと思ってたの!?」ってちょっと動揺したよね。彼には「今、彼氏とこんな感じなんだけど、男の人からしたらそういう場合ってどう思うのかな?」とか、恋愛相談もしてたから。

 

R そいつもその恋愛相談、よく耐えられたなぁ(笑)。

 

M まぁ、彼も一瞬彼女作ったりはしてたんだよ。でもそれもすぐに別れて。

 

R もりたも別れて、自分も彼女と別れてたから、これはいくしかないと思ったんだ。

 

M それで、「好きだから付き合いたい」と言われまして、付き合ったはいいものの、そこからは地獄でしたよね~。

 

R ははは、地獄のデジャブだ(笑)! 似たような話だなぁ。また束縛系?

 

M うん、その束縛エピソードの一つがこの東京ドームシティの話なんですけど。

 

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彼氏からの鬼電地獄

M 私、高校生のときからブログをやってて、そこで知り合った友達が地方で結構いるんですよ。

 

R ネット上で知り合った人ね。

 

M そのブログ界隈では結構オフ会をしまくってて、そのメンバーの中で一人、私が神様と崇めてる愛知県在住のお兄さんがいるんですよ。ブログも面白いし、お兄さん自身がすごくいい人で、そのブログ界隈だと一番古い知り合い。ラブの意味じゃないけど、すごく好きな人なのね。

 

R リスペクトだな。

 

M そう、そういう感じ。その人から急に「俺、今、東京にいるんだけど」って連絡が来て。普段は愛知にいてなかなか会えないから、久しぶりに会いに行ったんだけど、男と2人で会ってるってことで彼氏からガンガン連絡がきまして。

 

R 彼氏には、そういう人に会いに行くとは言ってたの?

 

M 友達と遊ぶとは。

 

R 男友達だって言った?

 

M 最初は「遊びに行ってくる」「誰と?」「友達と」って感じで話してたんだけど「誰?」ってしつこく聞いてくるし、やましいことはないからいいやと思って、「知り合いのお兄さんだけど」って言ったら、「は? なんで男と遊ぶの?」って反応されたね。「二人っきりなんて、何があるかわかんないじゃん!」って。

 

R あれ、「二人っきりなんて何があるかわかんない」って言い回し前回聞いたな(笑)。もりたが飯田橋の彼に言ってなかったっけ。

 

M いやいや、だってあれは夜中に泊まりだったから! 今回は日中だよ! お昼!

 

R まぁ、普通に遊びに行くだけだもんなぁ。

 

M そう、こっちとしてはお茶しに行ってくるって感じだったんだけど、彼氏から「ありえない!」ってガミガミ言われて、電話もかかってくるけどうるさいから、「私は何言われても会うし、そんなこと言っても知らないよ」って言って電話切ったんだ。その日、そのお兄さんはライブを観に東京に来てたのね。で、「一緒に来るはずの人が都合悪くなって来れなくなっちゃったから、チケット一枚余ってるんだけど…、良かったら一緒に見ない?」って言われて。その場所も東京ドームシティだったんだけど、さすがにライブ終わりだと夜も遅くなっちゃうし、また文句を言われそうだなと思ったから、「私、今日この後ライブ観に行ってくるから」って言って。

 

R 急にそうなったら相手もちょっと気にするよね。

 

M それで、その後も泣かれて喧嘩して。

 

R えー(笑)。カビゴンも泣かせてるし、今回の彼氏も泣いてるし、みんな泣いてるじゃん。

 

M そう! なんか、みんな泣く!

 

R お前の話の登場人物、みんなお前より先に泣くなぁ。

 

M まぁ、結局は私も泣くんだけどね。で、そんなやりとりをした東京ドームであんまりいい記憶がなかったわけですよ。

 

R 結構しつこく電話かかってきたんだ?

 

M そうそう、だから全然楽しめなかったんだもん。一旦、電話の電源切ったんだよ。

 

R まぁ、彼氏からしたら気になるよね。

 

M お兄さんから「大丈夫? 何か言われてない?」って言われて、「いや、いいよ、あいつよりも私はあなたと会ってるんだから、あなたと話したいの!」って答えて、「そういうこと言ったら、また相手の男が面倒臭くなるからやめなよ」って怒られるっていう。

 

R あー、愛知のお兄さんはいい人だな。その人とは今も会うの?

 

M 2年に1回くらいは会うかな。

 

R 普通に仲良くしてる?

 

M 仲いい。超好きだもん。その人に「会おうよ」って言われたらその日仕事が立て込んでても定時で帰るからね(笑)。

 

R おー、仲良しじゃん。

 

M まぁ、そのお兄さんはそのお兄さんでつらい恋愛してるらしいんだけど…。

 

R もりたの話に出てくる人、全員つらい感じなのやめてくれない(笑)?

 

M ちなみにそれからしばらく経って、また別の、ちょっといいなと思ってた男の人とも東京ドームシティに一回来たんだけど、押してみようかなと思って「観覧車乗る?」って言ったら「え、なんで?」って真顔で返されたつらさもある(笑)。

 

R ははは(笑)、それもつらいっすねぇ。