東京のつらい場所

トラウマ巡りの旅。

Part7-2 @東京タワー(夜景)

もりたが恋愛絡み・男絡みで手痛い思いをした場所を実際に巡りながら、つらい思い出を振り返っていく企画「東京のつらい場所」。東京タワーで思い出の夜景を眺めながら、飯田橋の彼とのすれ違いを振り返り、あの頃抱いていた想いを整理していきます。東京タワー編最終回。

(付き添い・記事編集:Ryota、2018年7月8日収録)

 

想いの比重とすれ違い

 

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もりた(以下:M) 夜景待ちしてやっと夜になったわけですが、やっぱり日中とは雰囲気が違うよね!

 

Ryota(以下:R) 天井もキラキラしてるし、ロマンチックな感じ。

 

M あっ…、ちょっと泣きそう…。

 

R マジで!?

 

M だって、「関係をハッキリさせたい」っていつ切り出すか、迷ってたのを思い出したら…。

 

R 意を決して言ったんだもんね。それで付き合い始めて。

 

M その1週間後に指輪を買ってもらうわけですが…冷静に考えて、1週間で指輪を買うって早くね?

 

R え、今(笑)? 俺は最初にその話を聞いたときから「早いな」って思ってたよ。

 

M 今となっては「1週間って早ぇな」って思ってたけど、あの瞬間は浮かれてたから…。やっと付き合えたけど「本当に彼は私のこと好きなのかな?」って不安だったところに、向こうから「指輪しようよ」って言われてさ。しかも左手の薬指なんてマックスに浮かれるでしょ~。「やっぱりあの人も私のことが好きなんだ!」って気持ちが盛り上がっちゃった。

 

R 指輪を買って不安をサクッと払拭するあたり、女の扱いが上手いんだよな、飯田橋の彼は。

 

M 上手いよね~。しかも会うのも月1回とか2回だったから、指輪なんてもらったら、より嬉しいじゃん。

 

R え、付き合ってからもそんなペースでしか会ってないの?

 

M そうだよ。毎日連絡はしてたけどね。電話とかもしょっちゅうだったし。

 

R それはどっちが忙しいから?

 

M うーん、どっちも忙しかったし、住んでる距離の問題もあったし、家が厳しかったから…。

 

R まだ実家暮らしだもんね。

 

M 八王子と飯田橋だからね…。塾講師のバイトがあったから夜も忙しくて、土日にバイトが入るときもあったし。今考えると、そんな状態でよく2年も続いたなぁ。

 

R 振り返ってみて、あの頃から関係がおかしくなってきたんじゃないかと思うのはいつ頃なの。

 

M 2年生になって、彼がサークルの幹事長になった頃かな。

 

R やっぱりサークルか。

 

M 彼がサークル中心の生活に切り替えちゃったから、土日に会えないことが増えたのね。夏休みは、私が塾の夏季講習に入っちゃったから平日に全部出たり、下手したら月曜から土曜まで15時以降は全部授業になったり。

 

R 超忙しいじゃん。

 

M 意外と売れっ子講師だったんで(笑)。

 

R 何教えてたの?

 

M 国語と英語。あと社会。国語は全部ひとりで回してたから。

 

R 敏腕だな!

 

M その頃からもう私は仕事大好きマンだったわけ。

 

R 彼氏から「バイトより俺を優先して」って言われなかった?

 

M 言われないよ。「私はバイトだから」「俺はサークルあるから」って感じで、お互い良い距離感でやってた。会いたい時は早めに予定を立てて、私はそこにシフトを組まないようにするし、彼もそこに予定を入れないようにする。そういう手順を取ってたんだけど…。彼の中で、サークルの比重がどんどん重くなっていったんだろうね。

 

R お互い好きなものにある程度リソースを割くのであれば、ちゃんと2人の時間も確保しようって、決めてたはずなのに…。

 

M 私から見たら、7:3くらいでサークルの方を大切にしてるように見えてたけど、彼は5:5でやってるつもりだったんだよ。

 

R もりたとしては、自分のやりたいこともあるけれど、ある程度の愛は欲しいぜって思ってたわけだ。

 

M そう、5:5の比重でいたかった。

 

R で、最終的には、渋谷で彼から別れ話をされるわけだが…。話を聞いてると、彼の前の彼女と同じコースを辿った可能性がありそう。彼は恋人よりも何かしら優先しちゃうものがある人だったんだな。

 

M それはあるかも。たぶん、私の後に付き合った人とも「彼女とうまく行ってないから別れようと思ってるんだよね」って相談から入って付き合ってるはず!

 

R ははは(笑)。でも、その新しい女とはまだ続いてるっぽいんでしょ?

 

M そうなんだよ! Facebookのステータスを見たらまだ交際中だったし。

 

R お前もうFacebook見るな(笑)! 新しい彼女は、自分の比重が下がってもOKだったのかな。

 

M もしくはそれ以上に自由を愛する系だったのか…。

 

どこが好きだったんだろう?

 

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M ここから二人で夜景を見たなぁ。ちょうどY字路の上を高速道路が横切ってて、ヒトデみたいな形に見えるでしょ?

 

R ほんとだ。ヒトデというか、星型というか。

 

M 思いを伝えるかどうか悩んでる最中だったんだけど、その時、急に彼に手をキュッと握られて…、「私の気持ちも知らないで! ズルい人!」って心の中で叫んだ(笑)。「気持ちがあやふやなまま、手を握られたくらいで一喜一憂して、精神がつらくなっていくのはもうやめたい!」って、ここで覚悟を決めたんだ。

 

R 関係がハッキリしてないのに、手なんか握られたら、そりゃ「コレはなんなの!?」って思うわな。

 

M ほんとだよ。こっちの気も知らないで、ズルいよ。

 

R 確かにズルいよなぁ。もりたは頑張ってたのに。

 

M なんか私、肯定してもらってるぞ(笑)。

 

R 基本的に俺、もりたの話聞いてる限りでは「飯田橋の彼、嫌なヤツだな」って思ってるよ(笑)。

 

M でも、あの人はあの人でいいところもあるんだよ…こうやってかばうのもよくないんだけどさぁ(笑)!

 

R ははは(笑)、もりたの思う、彼の良いところはどこだったの?

 

M 連絡は毎日くれるし…。

 

R でもデートは遅刻するし、連絡くれると言っても「ちょっと時間わかんないけど遅れるわ」とかでしょ?

 

M うーん…、そうだけどさぁ…

 

R 俺はこの企画で、もりたから飯田橋の彼に対しての愚痴みたいなところばかり聞いてるわけ。ここでやっぱり、もりたが彼のことをなぜ好きだったのか、どこが好きだったのかというところをちゃんと確認しておきたい。急に手をぎゅっと握られてときめくというのは、わかる。気持ちが揺れるのはわかるけれど、最終的に「私は彼が好きだ」って思った決め手はなんだったんだろう。

 

M やっぱり、考え方とか好みが一致してたのが良かったと思うんだよなぁ。好きなものも一緒、嫌いなものも一緒、やりたいことの方向も一緒。特に嫌いなものがほぼぴったりだったのは大きかったかも。好きなものは合わせられるけど、嫌いなものって合わせにくいから。ライフプランを考える上でも、結婚はしたいけど子供は欲しくないとか、そういう一般的には合いにくい条件がすごく合ってたの。だから居心地よかったんだよなぁ。

 

R そこまでフィットしてたのか。ただ、やりたいことと付き合っている人の比重をどうするかっていう、その一点だけがズレちゃってたんだね。

 

M 彼ね、「さっぱりしてる君が好き」って言ってたんですよ。「他の子みたいにネチネチ言わないから」って。だからそういう自分であるようにしてたけど、でも最後は結局、「私の方が大切じゃないの?」って言っちゃったんだよね。それは彼が思い描いていた、“好きな私”じゃないじゃん。そのズレが大きくなっていったんだよなぁ、きっと。

 

R 前に「もしも今まで付き合った人の誰とでも復縁できるなら、飯田橋の彼とやり直したい」って言ってたじゃん。今、改めて付き合ったとして、うまく行く気はする?

 

M わかんない。あの時は良いと思えていたことも、価値観が変わって、嫌なことになってる可能性があるだろうからね。でも昔みたいに、彼が忙しくてなかなか会えない日が続いても、うまく対応できるようになってるとは思う(笑)。一人で楽しむ方法もいろいろと知ってるし、友達もいっぱいいるし、仕事も充実してるし。ちゃんと怒ったり、話し合って解決したり、いろんな戦略を立てて長く関係を継続していこうと工夫できると思う。あのころは結構、私の一人相撲だったから。

 

R 彼にちゃんと怒れないって言ってたもんね。新宿都庁の時に悪夢の話をしてたじゃないですか。夢の中で、飯田橋の彼に怒りたいのに怒れなくて、泣きながら目覚めるっていう。まだあの夢って見ることある?

 

M 最近はそこまでしんどかったり、切羽詰まってないたりしてないからか、昔ほどは見なくなったかな。

 

R 最近のもりたの話を聞いてたら、仕事は割といい感じでやってるし、プライベートも安定してるみたいだし、やっぱり悪夢に打ち勝つにはもりたがご機嫌でいることが大切だよね。

 

M 自分の機嫌を良くする術を知るべきだね。ほんとに、それって大切だなぁ。

 

R さて、残るつらい場所は渋谷と飯田橋。あと2回だよ。ちょっとずつトラウマ克服できてる?

 

M いや、ヘコんでる(笑)。

 

R 頑張ってよ(笑)。

 

M だってさっきも手を握られたことを思い出して、一瞬泣きそうになったもん。

 

R まぁね、こんなに綺麗な夜景を見て手を握られたら、ときめいちゃうよね。

 

M でもさ、この夜景一緒に見たらさ、告白の勝率上がる気がしない?

 

R 上がると思う。まぁ、窓がちょっと汚いけど。

 

M うん、窓汚い(笑)。

 

R ちゃんと拭けよなぁ。

 

M しかたないよ、こんなに高いところなんだもん(笑)。誰も届かないよ。

 

Ryotaによる追記

東京タワー編の収録後、中華料理屋でもりたと夕食を食べました。食事中、飯田橋の彼のFacebookを覗いたもりたは、「交際中」のステータスが消えていることに気付きます。さらに彼のTwitterから、恋人と別れたことを匂わせるツイートを発見! もりたは「正直なこと言っていい?…マジで嬉しい」と言って、レモンサワーをぐびぐび飲んでおりました(笑)。

 

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