Par4-1 @有楽町~東京駅(有楽町駅前・無印良品)
もりたが恋愛絡み・男絡みで手痛い思いをした場所を実際に巡りながら、つらい思い出を振り返っていく企画「東京のつらい場所」。今回は有楽町駅から出発して、徒歩で東京駅へ向かいます。“飯田橋の彼”とよく行ったという無印良品に立ち寄ると、もりたの記憶のふたが次々と開き…。
(付き添い・記事編集:Ryota、2018年1月8日収録)
宝くじ売り場で待ち合わせ
Ryota(以下:R) さぁ、JRの有楽町駅前ですよ。有楽町には“飯田橋の彼”とよく来たの?
もりた(以下:M) そう、飯田橋の彼。この前、クソつまんない男とも待ち合わせしたけど。
R ははは(笑)。
M よく待ち合わせ場所にしてたのは、そこの宝くじ売り場。向こうが遅刻してくるときは、暇つぶしにスクラッチくじを1枚だけ買ったりしてた。
R 彼が遅刻したらスクラッチ…、もりたが遅刻して、彼を待たせることはないの?
M あんまりないね。
R ちゃんともりたは来るんだ。
M その時はちゃんと相手のこと好きだったから、遅刻したことはほとんどなかったの…。有楽町には、特に何か用事があるから来るってわけじゃなかったけど、無印良品にはよく行ってたね。彼は無印良品大好き人間で、自宅がもう無印良品の部屋みたいな感じ。
R 無印良品のモデルルーム的な。
M そうそう。だから、宝くじ売り場で待ち合わせて、そのまま無印良品に行って、っていうお散歩をよくしていた気がします。それももう5年以上前…? キツイな、5年前か。5年前の恋愛を引きずってるってちょっとさぁ、痛くない?
R うん、痛いっすよ。その痛さを見せる企画だから。
M まぁね…(笑)。
もりた、無印良品で吠える
M はい、来ましたよ、思い出の無印良品。
R 無印には結構な頻度で来てたの?
M ここだけじゃなくて、デート中に割と色々なところの無印良品に行ってた。お互い目的もなく商品を見るのが好きだったから、フラっと来ることが多かったね。昔はここの1階がLOFTだったわけですよ。で、最初のペアリングはそこで買ったなぁ。THE KISSっていう、LOFTには大体入ってるジュエリーブランドのやつ。「指輪買っちゃう?」ってノリでさらっと買ったよ。
R おっ、この辺りはモデルルームっぽくなってるね。
M 彼の部屋はここまで広くなかったけど、これっぽい感じだった。
R これの縮小版みたいな。
M そう、こういう感じの…あ、多分ヤツが使ってたベッド、これだ! このベッドで2人で寝てたわけですよ。あー、絶対そうだ! あいつ寝具これだったもん。
R このベッドの上に、こっちの黒白ストライプのシーツの布団がかかってたんだ。
M そう。で、掛布団のシーツはあっちの青いやつ。枕カバーはこだわりがあって白って決めてる人だったの。
R あえて柄を揃えないっていう、彼のこだわりなのね。
M うわー、思い出したらぞわぞわしてきたー! アイボリーと茶色の感じの部屋なんですよ。ちょっと木を使った感じの上質な暮らしをしてたんですよ、ヤツは。うわっ、この辺のタオルもあったし、収納ケースもこういうのがあって、ここに自分の服が入ってて、私の寝巻きが奥の方にこっそり入ってるっていう感じで暮らしてたんですよ…。うぉ~っ。
R 吠えてる(笑)。
M だってあの黒い収納ケースもあいつの家にあったもん。あれにCDとかめっちゃ入ってたんだよ! ミスチル!
R ミスチル入ってたんだ(笑)。
M で、ごみ箱もあの木のやつでしょ…。うわー、ここ、あいつの家じゃん…。
R ははは(笑)、あいつんちだ!
M 本とかもああいう感じで収納してたんだよ…。
R 商品見るだけでそんな風になっちゃうなら、今後、無印良品来れなくない?
M いや、来るよ。私も無印好きだもん。
R でも思い出しちゃうでしょ?
M いや、思い出しはするけど…。うわ、これもそうだよ、こういう感じだったよ、あいつの部屋…。
R あの頃の飯田橋の部屋が脳内に再現され始めている…!
M こういう机にMacProが置いてあるんですよー。
R そういうヤツはMac使ってるんだろうな。
M よし、じゃあ次はヤツの服装を見に行くか。似ている服装のマネキン見つけたいなー。あいつは、「絶対ダウンは着ない」って言ってて、タートルネックも嫌いな男だったから、強いて言うならあっちのマネキンに近いかな。
R これ?
M そう。そういう感じに近いかな、普段着ていた感じは。シャツで言うとね…。白ワイシャツが一番多い。あっ、この辺! この辺ばっかり着てた!
R 特に白?
M 白と紺! あと、紺地に白い水玉のやつ! そう、そういうヤツだったんだよ!!!
R 無印良品でこんなに怒ってるトーンの人いないよ(笑)。
M 腹立つけど私も無印好きだから、まぁまぁ同じもの使ってるんだよな。ふつふつと怒りが湧いてきたよ。「私も無印良品使うけど、お前のとは違うから!」みたいな。
R 「お前の無印良品好きと、私の無印良品好きを一緒にするんじゃねぇ!」ってことか(笑)。
M あー、あのディフューザーもあいつの家にあった! 私も正直欲しいと思ってる!
R あいつの家にあってムカつくから、欲しくても買わないんだ。
M そう、「ムカつくし、そんなに家にも居ないんだから要らない!」って。でもいいよなぁ…。
R 欲しくなっちゃった?
M 欲しいなぁ。「夜中にこれで上質な眠りが取れるんだったらアリなんじゃないの?」って思っちゃう。
R でも、あいつを思い出しちゃうから嫌なんでしょ?
M そう、「でも、あいつの家にあった…許さない!」って。やべぇな、こんなに無印で怒ることってあるんだという感じだよ(笑)。
R でも、別れてからも無印良品には来てるんでしょ?
M いや、来るよ。なんだったら一昨日くらいも行ったよ。
R でも普段はそんなに怒んないでしょ。
M たまに思い出してイラッとなることはあるかな。
R 不意打ちで「あ、これ、あいつのところに…!」って?
M そう、不意打ち。思い返すとあいつ、無印の上質な暮らしをしてたんだな。
R 本当に無印で揃えてたんだね。
M ディスペンサーも多分そうだった気がする。ちなみにうちのディスペンサーも無印だから。被ってるけど。
R 「ムカつく」より「欲しい」が勝ったときだけ買うわけだ。
M そう。なぜかというと無印のデザインが優れているから。あいつはよくわかってたんだなぁ。やっぱり、おしゃれだよ。正直、私もああいう家に住みたいと思ってたもん。悔しいから絶対に無印みたいな家にはしないと思ってるけど。で、結果ヴィレバンみたいな部屋になってる。
R 何なの、ヴィレバンみたいな部屋って。物がめっちゃあるの?
M 量もあるし、結局「好きなものを好きなだけ」ってコンセプトでやってるから、セーラームーンの変身ステッキみたいなのが並んでるところがあって、その横の棚を見ると綾野剛の本がバーッと並んでるところがあって、違うところを見るとコスメがいっぱい並んでるところがあって、本棚を見るとすごい真面目な仕事関係の本が並んでるコーナーもあれば、漫画とかが置いてあるところもあるし、大学の時の研究書が置いてあるところもあるし、さらに見るとサタミシュウの「私の奴隷になりなさい」シリーズが大量に置いてあるところもあるし。すごいカオスだよね。
R それに比べると相手の部屋は整っているというか、まとまってたんだ。
M まとまってたね、あれは。見えるところには寺山修司と糸井重里だけが置いてある、って感じ。その並びにそぐわないものはちゃんとカラーボックスに入れて、見えないところに収納してある。
R 見せるものと見せないもののコンセプトが自分の中できっちりしてるんだ。
M そう、しっかり分けてきれいに整頓してある感じ。で、無印の茶色いタオルを使ってる。
R 細かいな(笑)。やっぱり覚えてるもんだなぁ。
M 覚えてるよ、だって好きだったんだもん。最近開き直ってるね(笑)。
R 「あの頃は好きだった!」って。
M そう、「好き!」って。
R 「それは認めるから!」って。
M そう、認める!
R でもムカつく?
M ムカつく! ほんとムカつく! 何が愛する人じゃ!(笑)
R 面白いなぁ(笑)。