東京のつらい場所

トラウマ巡りの旅。

Part5-1 @御茶ノ水~東京ドームシティ(御茶ノ水・前編)

もりたが恋愛絡み・男絡みで手痛い思いをした場所を実際に巡りながら、つらい思い出を振り返っていく企画「東京のつらい場所」。今回のルートは御茶ノ水から東京ドームシティ。御茶ノ水では、もりたが高校時代のエピソードを語ります。

 (付き添い・記事編集:Ryota、2018年2月19日収録)

吹奏楽部の思い出

 

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Ryota(以下:R) 明治大学の前を横切って、東京医科歯科大学が目の前に見える通りを歩いてます。御茶ノ水名物の楽器店街だね。

 

もりた(以下:M) 御茶ノ水は高校生のときによく来ていた場所。吹奏楽部だったから、楽器のメンテナンスとかによく来てたんですよ。

 

R おぉ、今回は高校の話が始まるわけだ。

 

M もりたの初カレ編ですよ。

 

R “飯田橋の彼”の、1つ前の彼氏?

 

M そう、一番最初の彼氏。御茶ノ水は、恋愛的に元カレがつらいというのもあるけど、どちらかというと吹奏楽部で精神ボコボコにされた方のつらさが…。

 

R あー(笑)、部活がつらかった?

 

M 私は直接言われてないけど、部活内で「あいつは音楽的には必要だけど、人間的には要らねぇ」って言われてたヤツはいっぱいいる。

 

R そんなにメンタル攻めてくる部活だったの?

 

M 吹奏楽ってゆるいイメージがあるかもしれないけど、うちはコンクールで上位入賞を狙ってたから結構ガチな部活だったの。しかも、大会の規約で編成上何人まで出られるっていうのが決まっていて、レギュラー争いがあるんですよ。もちろん、100%実力主義だからオーディションで落とされちゃうと、3年生だろうとコンクールに出られない。

 

R なるほど、厳しいなぁ。

 

M で、その元カレは部活の先輩で、担当パートも同じで、席も隣だったんですよ。部活は土日もあるから、四六時中一緒にいる状況だったんだよね。でも、付き合ってたけど全然好きになれなくて…。その元カレとどうして付き合ったかっていう話からした方がいいかな?

 

R そうだね。

 

 

もりた、告白する前に失恋する

 

M えーっと…ふっふっふ(笑)。

 

R 何(笑)!?

 

M 心の傷口が開いちゃって笑うしかない(笑)。

 

R いきなりそんなにつらい話になるの…。

 

M 私、今では初対面の人にでもべらべらしゃべれるけど、高校生の頃って結構人見知りするタイプだったんだよね。で、高校1年生の時、同じクラスに好きだった男の子がいたんだけど、好きすぎて彼には何も話しかけられない、みたいな状態だったの。

 

R もりたにもそんな時代が…(笑)。

 

M その当時、部活の親友に「〇〇君が好きなんだけど、上手くしゃべれない」とか「~に誘いたいけど誘えない」って恋愛相談してたんだけど、冬休み明けくらいから、その親友が急によそよそしくなったんですよ。普段からよく話してたのに、何故か距離を置かれるようになって。別の友達に「私、何かやっちゃったかな? 嫌われたかな?」って相談したんだけど、「いや、もりたが何かやったわけじゃないと思うよ」みたいな話をされて、結構モヤモヤしてたんだよね。ある日、その親友から急に「今日一緒に帰ろう」って部活終わりに言われて。

 

R お、きたな。

 

M 忘れもしない、ほっともっとの弁当屋の前で。

 

R ははは(笑)、描写が細かいな。

 

M 高校の近くの、坂のふもとのほっともっとの前で、その親友から「〇〇君のこと、ずっと相談してくれてたけど、実は私も彼が好きで…。このままじゃ心からもりたのことも応援できないし、良くないなと思って、彼に告白したら付き合うことになった」ということを言われまして…。

 

R うわー、出た! 先に告白しちゃった上に、OKも出ちゃったんだ!

 

M それを泣きながら話されて。

 

R 出た! もりたあるある! 「向こうが先に泣くからこっちが泣けない」パターンのやつだ!

 

M そのパターンに入ったから「あー、そっか、ごめんね、こっちも気付かなくて」みたいに言うしかないじゃん。相手は、「もりたとはこれからも友達でいたいから、このままじゃ良くないと思って話した」と言うわけですよ。

 

R 先に泣いて謝られるやつ、前回の飯田橋の彼のエピソードで聞いたことあるパターンだよ(笑)!

 

M だからそれを何年か前にもうやられてたんですよ、実は!

 

R そういう人生なんじゃん(笑)。

 

M そういう人生なんですよ…。それで、とてつもなく好きだった彼に告白する前に失恋したわけです。

 

R 思いを伝えないまま失恋かぁ。

 

 

初カレはできたけど…

 

M その親友と別れた後に、「つらいな…」って思いながら部活のたまり場になってたマクドナルドに行ったわけですよ。そしたら仲のいい男の先輩たちがいて、「あれ、今日は一人なの? 顔色も悪いし、何かあった?」って言われてさ、私も一瞬回ってテンション高くなってたから…。

 

R 一周回ったんだ(笑)。

 

M ハイになっちゃってたから「なんかー、よくわかんないんですけど、私、失恋したっぽいんですよね~」って言って。「え!? どういうこと!?」「よくわかんないんですけど、気付いたら失恋してた的な…」とか話したんだよ。で、先輩たちは「そうかそうか、今日はおごってやるよ! 何が食べたい?」って言ってくれて。

 

R いい先輩じゃん。

 

M マックシェイクと、ポテトと、そんなに好きじゃないアップルパイをおごってもらった(笑)。その後、初の彼氏になる人もその場にいて「お前大丈夫か? あんなこと言ってたけど相当つらいだろ? 何かあったらいつでも電話しろ」って言ってくれたんだ。毎日電話なりメールなりで連絡しあって話を聞いてもらってたんだけど、ある日、告白されまして。

 

R それは失恋事件からどれくらいのタイミングで?

 

M 2~3週間くらいかな。

 

R 元々、その先輩はもりたのことが好きだったの?

 

M かわいい後輩っていう感じだったんじゃないかな。「でも、付き合うのは無理かな~」と思っていたけど、失恋で弱った私の様子を見て「これ、押したら付き合えそうじゃね?」って考えたんだろうね。

 

R で、押された結果付き合うことになったわけだ。その時のもりたの心情としてはどんな感じだった?

 

M 「好きって言ってくれてるし、優しくしてくれるなら幸せになれるかもしれない」とは思ったかな。「もう傷つきたくない!」って感じ。

 

R 自分の恋心は叶わなかったけど、優しくしてくれるんならこの人でもいいかなってことか。

 

M 「人は見た目じゃねぇよ!」と自分に言い聞かせた。正直、その初カレが全然かっこよくない上になかなかの巨漢だったんですよ。ポケットモンスターで例えるならカビゴンみたいな(笑)。

 

R あー、カビゴンかぁ(笑)。とはいえ、ルックスには目をつぶって付き合い始めたわけだ。

 

M そこからがまぁ…、地獄だったよね。

 

R お、何があった(笑)?

 

M まず指輪もらって…。

 

R 出た、指輪!

 

M それが人生初の指輪ですよ。

 

R それは彼氏から渡してきたの?

 

M 1月に付き合い始めて、バレンタインデーのときにチョコレートを渡したら、ホワイトデーのお返しが指輪だったの。お互い初カレ初カノなわけですから、浮かれてるんですよ。向こうは指も太いから、指輪のサイズが21号だったんだけど(笑)。「私の親指に付けてもブカブカなんですけど~」って言ったりして。まぁ、その指輪、付き合ってる間に5回くらい失くしたけど。

 

R おいおい(笑)。

 

M でも5回失くして、もう出てこないなって思ってたころに見つかるから不思議だよね。高校の落とし物ボックスに入ってたり、学校の駐輪場の溝のところに落ちてたり。

 

R まともなところに落ちてないな(笑)。

 

M そもそも彼って、女っ気もないし「お前は彼女できない」とか散々言われている上、部活の中での態度も悪かったんだよね。そんなヤツが左手に指輪をしているということで「相手は誰だ!?」って部活内が騒然としたから、即行で指輪を外したりもして(笑)。

 

R 付き合ってることは周りに隠してたの?

 

M すごく隠してたわけではなかったけどね。さすがにいじられるのも面倒くさいし、3月が定期演奏会だったから、そこに向かって士気を高めているところで、仲間の和を乱すみたいなことはしたくなかったから。まぁ後々バレるんですけどね…。で、部活で毎日カビゴンに会ってるわけなんだけど、性格が全然合わなくてですね…。

 

R 何が嫌だったの?

 

M 向こうがすごく束縛してくるタイプで、重かったんだよね。

 

R まぁ、カビゴンからしたら、見た目のコンプレックスもある中、初めて年下の彼女ができたということで過剰に束縛しちゃったのかもしれないな。

 

M カビゴンは夜にアルバイトをしてて、毎回23時くらいに終わるんだけど、いつも帰り道から電話をかけてくるんですよ。それに出ないとめちゃめちゃ不在着信が入ってて。寝落ちしたら文句も言われるし。

 

R それは確かに面倒だなぁ。