Part7-1 @東京タワー(階段で登頂)
もりたが恋愛絡み・男絡みで手痛い思いをした場所を実際に巡りながら、つらい思い出を振り返っていく企画「東京のつらい場所」。今回は過去の彼氏全員と登ったことがあるという東京タワーを訪ねます。飯田橋の彼と付き合うことになったのもこの場所だそうですが…。
(付き添い・記事編集:Ryota、2018年7月8日収録)
別れた男全員と登ってる
もりた(以下:M) さぁ、今回は東京タワーですよ!
Ryota(以下:R) 俺は東京タワーに来るのが初めてだから、2階の土産物屋さんとか見てきたんですけど、洗練されてたソラマチに比べて、何だかやる気のない雰囲気だよね…。似顔絵屋のおっちゃんが爆睡してたよ(笑)。
M この力の抜けた感じがいいんだよ(笑)!
R 今までデートでは何人と来たの。
M 男で言えば、カビゴンと来て、飯田橋の彼と来て、大学時代の彼と来て…。過去に別れた男全員と登ってるな。
R 「過去に付き合ってた男」じゃなくて「過去に別れた男」って言い方になるのね(笑)。結局付き合わなかったけど、いい感じの雰囲気になった男とかは?
M あー、いたかもしれないけど、記憶を抹消してますねぇ(笑)。
R ははは(笑)。
M 後は一人で登りに来たりとか。
R 一人でも結構来るの?
M 時々、「ヒルナンデスで紹介されました」って看板を出してる、やる気のない手相占いの人がいるんだけどね(笑)、2000円くらいで手相を見てくれるから、ストレスが溜まってる時は金を払って愚痴を聞いてもらってる。
R それで来てるのか(笑)。
M 会社の事業所も近かったりして、よくこの辺りは通りかかるからさ。さて、今回は階段で展望デッキまで登るよ!
R 「もう後戻りはできないぞ…」って、なんで脅し口調なんだよ、ノッポン兄…。
M ノッポン兄、ちょっとやさぐれてるんだよなぁ(笑)。
R 階段は全部で何段あるの?
M 600段かな。今まで登場した彼氏とは全員、階段で登ってるはず。
R 最初に来たのがカビゴンでしょ?
M そう、カビゴンとは高校のときに登った。部活で忙しかったから、デートらしいデートで行った数少ない場所なんじゃないかな。
R それから飯田橋の彼。
M 飯田橋の彼の話はあとでするから飛ばして(笑)、ドームシティの彼とも登った。確か冬だったんじゃないかなぁ。高さがある分、ものすごい寒いんだよね…。
R 「東京タワーに行こう」っていうのはどっちから言うの?
M あんまり覚えてないけど、東京タワーが好きだから、私の方から誘ってた気がするなぁ。
飯田橋の彼と登るまで
R 「せっかくだから東京に向かって何か叫んでみたらどうだ」らしいから、なんか叫んで。
M (小声で)東京は、つらい場所~。
R 声が弱いよ(笑)。ここは「〇〇のバカヤロー!」とか、そういうこと言えよ。
M うーん、そんな元気ないな。
R ははは(笑)。
M そういう人を恨むカロリーがもったいないよ、恨みって自分に跳ね返ってきちゃうから。
R えらい! さすが仏教の本を読んだだけある。
M 仏教を支えにしてるから(笑)!
R そろそろ展望デッキに近づいてきたから、飯田橋の彼の話に移ろうか。2人とも高いところに登るのが好きだったって、前に言ってたよね。都庁の展望台とかさ。
M そうなんだよね。どこでも登っちゃう。
R 飯田橋の彼とは何回か来たの?
M ううん、東京タワーは一回だけ。でも、付き合うか付き合わないかの話に持ち込んだ場所なので、いろんな意味で感慨深いわけですよ。
R ここで正式に付き合うことになったんだもんね。
M そもそも私と付き合い始める前、ヤツには彼女が居たんだけど、何人かと飲みに行ってる時に「今の彼女と合わないから、別れた方がいいのか悩んでるんだよね」って話してきたの。「それ、私に言って何がしたいんだろう…」って思いますよね。
R 「彼女と別れたい」って話を聞いた時点では、飯田橋の彼に対してどういう気持ちだったの。
M 良い人だとは思ってたけど、「付き合いたい」とかは考えてなかったかな…。鎌倉行った話ってしたっけ。
R 手をつなぐか、つながないかの話でしょ。
M そうそう、「二人で鎌倉に行こう」って誘われて、遊びに行ったんですよ。まだヤツには彼女がいた頃だけど、私も男友達は多かったから、「まぁ、友達としてだよね」って思ってたんだけどなぁ…。歩いている途中、ヤツがこちらをチラチラ見てくるんですよ。「どうしたの?」って聞いたら、「せっかくデートしに来たから、いつ手をつなごうかなと思って」って言われて、「え~!そういう風に来ちゃう!?」って。
R そんな気なかったのに。
M どう返していいのか分からず、パニックですよ。
R それって結局手をつないだんだっけ。
M 夏の鎌倉の、紫陽花が咲いてるようなところに階段があって、私がちょっとよろけそうになった時にスッと手を取られてそのまま。「私、手汗がヤバいんですけど…」と思ったんだけど、彼から「だめ? 嫌だった?」って言われて「いや、そんなことはないけど…」というわけで結局つないだ。
R シチュエーションが甘酸っぱすぎるな(笑)。
M そんなこんなしているうちに、ついにヤツが彼女と別れたんですよ。夏の終わりごろだったかな。その後、「会おうよ」って話になった時に、タワーに登ることになって。
R 「登ろう」ってどっちが言ったの?
M 「どこか行きたいところ、ある?」って聞いて、向こうが「東京タワーかな」って決めたんじゃなかったかな。その頃にはもう「ダメだ、こりゃあいつのことが好きだな」ともりたも観念してたんですよ。「もうこれ好きだよ、どうしようもないよ」って感じ。
R ははは(笑)。
M 「このまま曖昧な関係のままでいるのはつらいから、ちゃんと付き合いたいな」って思って、決着を付けようと気合を入れてきた場所がここ、東京タワーですよ! よっしゃ、展望デッキに到着!
R 階段で登るの結構しんどいな、汗だくだよ!
M あち~。いい運動でしたわ…。
もりた、ハッキリさせにいく
R 決戦当日、彼とはどういうやりとりをしたの?
M まず、日中ご飯に行って、夕方くらいに東京タワーに来て、夜景を見て、展望デッキから降りてきた後くらいかな。「私はもう、曖昧なことしたくないよ」って言ったの。
R 自分から切り出したか。
M だって向こうは、そんな話をするつもりないからね。
R 基本的にもりたの方から行くからなぁ。
M もりたから切り出しがち問題ね。向こうがなんだかのんびりしてるから、こっちとしては「さっさとハッキリしたいんじゃ!」っていう感じ。
R その結果、自ら息の根を止めたりするわけだけど。
M そういうのがダメなんだよなぁ~。友達から「もりたちゃんは駆け引きがへたくそ。『どっちだと思います?』くらいで行ったほうが男は楽しいんだよ。そうやってバキっと割り切るオンナは、面倒くさくなって切りたくなっちゃうものなの!」って言われたもんなぁ。
R でも、もりたからしたら駆け引きの時間がもったいないもんね。
M そうそう、もったいない。
R ダメならダメできっぱり終わらせたいし、いいならいいで早く結論出して、イチャつきたいわけでしょ?
M そう! 効率第一主義だから! 「曖昧なことはしたくない。一緒にいて楽しいし、それは私があなたを好きだからだけど…」って言って。
R そこでもう「好きだから」って言ったの?
M だって、ちゃんとそこで説明しなきゃわかんないでしょ! 「私は好きだから会ってるけど、あなたがどう考えてるかわかんない。傷つくのは嫌だから、このまま曖昧な関係を続けるなら私はもう会いたくない」って言ったら、ヤツが「言わせてごめんね」って。
R 出た!
M みんなすぐそうやって言うんだよ!
R なんか、飯田橋の彼のキャラが分かるよなぁ。「言わせてごめんね」とか、自分のこと優先して遅刻とかとかね…。
M あいつの性格がわかるよね、そういうところで。
R 「言わせてごめんね」って言われて、イラっとしなかったの?
M その時は、もうここで会えないかもしれないと思って、不安で泣きそうだったからさぁ…。
R ここでダメだったらこれまでなんだけど、もりたはもう好きになっちゃってるしね。
M 好きだって思ってるし会いたいけど、脈が無いなら関係を切らないとまた傷つくし。だからハッキリさせにいったんだよ。
R もりた、偉いなぁ。
M 「言わせてごめんね、俺も好きだよ、だから一緒にいてほしいんだよ」って彼から言われて、私はちょっと泣いて。
R で、そこから付き合って…。
M 地獄の2年間が始まるわけですよ!
R ははは(笑)。
M もちろんハッピーだったこともあるけどね(笑)。そういう始まりの場所だったのが東京タワーなんだよね。たぶん普通のタイミングだったらそんな話できなかったし、ここに来なかったら付き合ってなかったかも。
R 夜景の効果もあった?
M 確かに夜景のエモさに引っ張られたのもあるかなぁ。しかもその日は、彼が「水玉が似合う人が好き」って言うから、新しく水玉のワンピースも買って、新しい靴もおろしてさぁ…。
R なんか、もりたって偉いよね。頑張ってる。
M 頑張って決めにいったんだもん!
R よし、じゃあそんなもりたを後押しした夜景を見よう!
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