Part5-2 @御茶ノ水~東京ドームシティ(御茶ノ水・後編)
もりたが恋愛絡み・男絡みで手痛い思いをした場所を実際に巡りながら、つらい思い出を振り返っていく企画「東京のつらい場所」。高校時代の初めての彼氏・カビゴンとのエピソードを振り返りつつ、東京ドームシティまで歩きます。
(付き添い・記事編集:Ryota、2018年2月19日収録)
もりた二股疑惑事件
もりた(以下:M) うちの高校って山の上の方にあって、坂を上って学校に行かなきゃいけないし、帰りも坂を降りなきゃいけないから、登下校が結構面倒くさいのよ。その当時、部活内にシン君っていう仲のいい男友達がいて、彼は自転車通学だったのね。で、たまに駐輪場とかで会ったら「乗せて下まで降ろして」って感じで、よく二ケツしていたわけ。
Ryota(以下:R) 友達のノリとしてね。
M そうそう、二人きりってわけでもないし。シン君は他の男友達と一緒にいて、その人たちも私とシン君が仲いいのを知ってるの。それで、シン君を見つけたら「あ、シン君! 乗せてよ!」「え~、だって面倒くさいじゃん」「いいじゃん、乗せてよ」みたいな話をして、いつも乗せてってくれる。そのまま坂の下までザーッと降りて「じゃあねー、お疲れ様でーす」みたいな感じで帰っていくわけですよ。部活の後輩たちは、私に彼氏がいるっていうのは知ってたんだけど、同じパートの子以外は私が誰と付き合ってるかまでは知らない子もいたのね。で、私とシン君は結構一緒にいたから、シン君と付き合ってると思ってた後輩もいて。
R はいはい、二人は友達のノリだったけど、周りから見るとそういう風に勘違いしちゃってもおかしくなかったわけだ。もりたは、自分とシン君が付き合ってるって噂になってると知ってたの?
M それは知らなかったんだよね…。ちょっとした事件があってね、その日は霧雨が降ってたんだけど、駅まで10分くらいで到着できるから、面倒くさくて傘をさしてなかったの。そしたらシン君がいて、「お前、傘ささねぇの?」って言われたから「いちいち傘さすの面倒くさいじゃん、シン君の傘に入れてよ~」って感じで、傘に入れてもらって一緒に駅まで行ったんですよ。
R 友達のノリだけど、形だけ見れば相合傘だよな。
M そう、二人にとってはいつものノリでも、他の人から見たら「あの二人、超イチャついてる」って見えるわけじゃないですか。しかも、たまたまその日に限って、シン君と私だけで帰ったんだよね。
R 一緒に帰る友達が他にいなかったんだ。確かに構図としては相合傘のカップルが、イチャイチャしているように見えるわな。
M それから何日か経った後に、部活で同じパートの後輩から「先輩、話あるんですけど」って言われたの。私もパートリーダーだったから。「部活で何か心配事あるの?」って聞いて。
R 何か悩みがあるのかなと。
M そしたらさ、後輩が「もりた先輩とカビゴン先輩って付き合ってるんですよね?」って聞いてくるんだよね。「まぁ、一応そうだね。それが何?」って答えたら、「シン先輩とは何かあるんですか?」って言われて本当にびっくりした。寝耳に水だから。
R とうとうシン君と付き合ってる説がもりたの耳にも入ってきたんだ。
M 「いや、シン君とはめっちゃ仲いいし、一緒に帰ったりはするけど別に…」って答えるじゃん。そしたら「それなんですけど、シン先輩とよく帰ってるから、もりた先輩が二股してるって噂流れてますよ」って言われて。
R うわぁ…。
M 「待って、それってカビゴンの耳には?」「もちろん入ってます」って言われて。
R めんどくさい事態や…。
M 「だから最近不機嫌なのかあいつ…」と腑に落ちたけど。
R 機嫌はちょっと前から悪かったんだ。
M シン君と二人で仲良くしてるのが、前から気に食わなかったらしいのね。「俺だって一緒にいたいのに…」と思ってたらしい。
R で、いよいよ二股しているという噂になって、改めてカビゴンの耳に入ったと。…怖っ!
M いやー、怖ろしかったよ。そのときもまぁまぁ揉めたんだけど。
R それはその後どうなったの。
M 「すいませんでした」って謝ったよ(笑)。
R カビゴンはなんて言ってたの?
M 「俺はそこまで強く言いたくないけど、わかるでしょ?」みたいな感じで言われたから「はい、自分の傘は自分でさします!」って(笑)。
R ははは(笑)。
カビゴンとの別れ
M カビゴンとは合わないなと思って別れたかったんだけど、同じパートだし、席も隣だし気まずくなるじゃん。音楽は精神状態がだいぶ影響されるから、別れるタイミングを見計らってたんだよね。向こうが高校を卒業したときに別れても良かったんだけど、卒業1年目の人ってOBとして働きに来るから、しばらく顔を合わせるんだよ。だから、私が卒業するまでは別れられないなと思って、だらだらと3年くらい付き合ったね。
R 「別れたいわ~」と思いながらも付き合い続けている間の関係ってどんな感じなの? 向こうはどんな感じだった?
M カビゴンはめっちゃ私のこと好きだよ。
R 怒りはしたけれど、それでその件は収めたというか、落ち着きはしたんだ。
M まぁ泣かれたけどね。
R 泣かしてるなぁ(笑)。
M いっぱい泣かしてるねぇ。で、そのあとも紆余曲折いろいろあるんですけど割愛して…。
R 言えねぇんだ(笑)。書けないことが結構ある?
M 書けないし、話すと後2時間くらいかかるから。
R マジか…。じゃあ割愛して、結局高校時代のほとんど付き合ったあとで、カビゴンとは別れたわけだね。ちなみに、シン君とはそのあとも普通に友達として付き合っていくんですか。
M シン君はその後ねぇ、歌手を目指してねぇ…。
R おぉ!?
M 1回ヨーロッパでデビューしてるんだけど…。
R おぉっ(笑)!? 思わぬ展開だ!
M なんかねー、マルチっぽいノリの人になっちゃいましてねぇ。「もちろん応援してくれるよね?」みたいな。
R あー、あの頃のシン君じゃなくなっちゃったんだ。
M 「俺は夢に向かって頑張るから! そのためにはこういうこともしていくし…」って感じで目をキラキラさせてさぁ…、私と同じように、いい感じに腐ってたシン君じゃなくなっちゃったんだよね。きれいなシン君になっちゃったんだよ。
R きれいなジャイアンみたいな(笑)。
M そこからちょっと疎遠になっちゃった。
R なるほど…。で、話を戻すと紆余曲折あって、最終的に卒業して大学に入るタイミングで別れたの?
M 私が高校卒業して大学入った年って3.11があったから、演奏会が3月から5月に延期になっちゃったんだよね。その5月の演奏会が終わった一週間後くらいに別れたはず。
R 別れ話をしたとき、相手がインフルエンザだったんでしょ?
M それは後から知ったんだけどね。その時も体調悪いとは言ってて、「別れたい」って話したら泣くし、鼻がグスグスしてるし、今思うと本当に申し訳なかったなという気持ちはある。で、それからずいぶん経って、部活の同期が結婚をしまして、そこでカビゴンとは久々に再会しました。
R そのときはどんな感じだった?
M 恨みつらみを言われた。会うたびに言われるんだよねぇ。
R ははは(笑)、まだ引きずってるんだ。
M 「お前よりいい女も知ってるし、お前がゴミみたいな女なのも知ってるけど、俺は結局お前が忘れられなくて、誰とも付き合えないから慰謝料払え!」って言われる。で、私は「タバコ一本くれねぇ?」って言ってやった。
R もりたがいい女として評価される感じなの、すげぇ気に食わねぇ…。
M 私もいい女だとは思わないんだけど、忘れられない女なんだって。
R それがなんかいい女っぽいわ。ムカつくな(笑)。
M でもまぁ、高校の一番おいしい3年間をカビゴンでドブに捨てたよね。
R そしていい感じに腐ってた友達のシン君も夢に向かってしまい、残されたのはもりただけ…(笑)。
M そう、時が止まってるのは私だけ(笑)。
R そんな時によく楽器にメンテナンスに行ってた御茶ノ水だったわけだな。で、気付いたら東京ドームシティ着いちゃったけどね。