東京のつらい場所

トラウマ巡りの旅。

Par4-3 @有楽町~東京駅(東京駅・後編)

もりたが恋愛絡み・男絡みで手痛い思いをした場所を実際に巡りながら、つらい思い出を振り返っていく企画「東京のつらい場所」。久々のデートで“飯田橋の彼”に3時間の遅刻をかまされたもりた。あの頃のモヤモヤした気持ちを思い出しながら、東京駅にたどり着きます。有楽町~東京駅編最終回。

(付き添い・記事編集:Ryota、2018年1月8日収録)

 

怒れなかったデート

 

もりた(以下:M) それで、お互い不機嫌なままでディズニーシーに行ったわけだけど。

 

Ryota(以下:R) まぁ、チケットがもったいないからな。

 

M 早起きしたから眠くてボーっとしてたら、間違えてディズニーシーのチケットなのにディズニーランドに入ってしまい、「再入場できないじゃん!」ってなって。本当はチケットが違ったら受付のところで言われるんだろうけど、混んでたからそれもなくって、ランドに入っちゃって「あれ!? お城ある!?」って気付いた。それで私のテンションがさらに下がってしまって。彼が気を遣って「俺、お金半分出してあげるから、シー入ろう?」って途中でシーには入ったんだけど。まぁ、デート中に色々と思うところはあったよね。でも、私もそんなにガツンと言わなかったな。今思うと、あそこで私がもっと怒ればよかったのかもしれない。

 

R 「今までサークルのことで揉めたよね? で、昨日も遅れないように早く帰ると言ってたのに3時間遅刻して、しかもサークルでオールしてたって何なんだ!」ってことだよね。

 

M 「ありえない!」って。

 

R まぁ、そうだよな。

 

M 「サークルのことも大切なのはわかるけど、そんなにないがしろにされて私も何も思わないわけじゃないし、そういうの本当に嫌だから、サークル辞めてとはいわないけど、もうちょっと考えてよ!」って、言えばよかったのに…。

 

R 言えなかった?

 

M 良い顔しちゃってですね…(笑)。「サークルのこともわかるけど、連絡つかないと心配だし…。やっぱりそんなに会えないから、会える時くらいはちゃんと会いたいよ」くらいしか言えなかった。

 

R 相手を気遣ってるモードにしちゃったんだ。

 

M 「私は心底怒ってるぞコラ!」っていうテンションで言えば、向こうも「俺も思うところあって」ってぶつかりあえたのかもしれないけど、その当時は嫌われたくなかったから。ぶつかることもせず、喧嘩もせず。ちょっとやんわり「嫌だよ」って言って終わる。

 

R それは、シーに行くときに言ったの?

 

M そうそう。合流できたときに「大丈夫だった? 心配したよ。さすがにちょっと連絡ないのは困るよ」って。帰りのときにも、「楽しかったけど、こういうのはあんまり、嫌だな」みたいなことは言ったかな。向こうは「ごめんね、ごめんね」って謝って、私は「今日は会えたからとりあえずよかった。また会ってくれる?」って。

 

R その後、彼はサークルの件とか改善してくれたの?

 

M ううん。もりたの優先順位は下のまま。

 

R そこで彼氏は許された気になっちゃったんだろうな。許されたから「いいや、このまんまで」ってなったんだよ。

 

M そう、「ちゃんと連絡すればいいんでしょ」って。まぁ、連絡するのは前提なんだけどって感じだよね…。

 

最初から惰性だった?

 

M いぇーい、東京駅に着いたぜ!

 

R 今日はホームには上がらないけれども。

 

M 東京駅で、天井が奇麗なところあるじゃん。あそこが竣工したときにも2人で来てるなぁ…。でも当時のことを思い出すと、「自分も悪かったな」と思いつつ「でも、向こうも悪いだろ」ってね、怒りが勝っちゃう。

 

R 根本は彼氏だけど、もりたも怒れなかったなっていう後悔はあるわけだよね。そこを長引かしちゃった分、傷口がより開いちゃってる感じはある。今回の収録が始まる前にさ、彼と付き合ってる時期が被ってる女がいたって話をしてたじゃん。彼はその女と今も付き合ってるんでしょ? そっちと飯田橋の彼はいつ頃からの関係なんですか。

 

M わかんないけど、3時間遅刻事件の頃じゃないかな。その頃にうまく行ってなかったから、たぶん向こうの女に「今の彼女と最近うまく行ってなくて」みたいな話をするところから始まって…、どの女かわかんないけど、いまだに私はサークル関係の女だろって思ってる。

 

R 俺もそんな感じがするな。飲み会とかでしゃべったんだろうなって気がする。

 

M そう、「あいつ、うるさいんだよ」とか。しかも、彼の好みはどう考えても私じゃないんだよ。かわいい系というか、女子アナ系が好きなタイプだったから、それも相まって。だって、サークルもそんな感じの子多かったし。

 

R 彼の好みじゃないんなら、なんでもりたと付き合うことになったの?

 

M うーん、もりたが「今付き合ってるみたいな状態だけど、私はちゃんと好きだし付き合いたいけど、どうするの?」って言ったから。

 

R あー、じゃあそれこそ、最終的に彼から「惰性で付き合ってた」って言われて振られるわけだけど、やっぱり最初から惰性だったって可能性高いよな。もりたがそうきたからOKしたけど。

 

M そうだよ、でも指輪くれたじゃん~。

 

R (笑)。

 

M 最初に知り合ったときは向こうに彼女がいて、「でも別れたい」って言ってて、そのあと何回か遊びに行ったけど、「これもうデートだよな」って感じだったし…。「本当に彼女と会ってなくて、次会ったら別れ話するんだ」ってタイミングで、一緒に鎌倉に行ったんですけど、そのときに私の方をチラチラ見てるから、「どうしたの、何かあった?」って聞いたら、「いや、いつ手をつなごうかなと思って。デートだし」って彼が言ったりとかしてさ…。

 

R 向こうからも仕掛けてるんだよな。

 

M そんな感じだったから、「やっぱりちゃんと付き合うなら付き合いたいし、そうじゃないんだったらつらくなるから、普通の友達でいたい」って言って、それで付き合ったんですよ。

 

R そのとき、彼としても「いけるもんならいっとけ」になっちゃったのかな。

 

M そうかもしれない。たぶん今の彼女とも私とうまく行ってない時に、同じような感じで「彼女とうまくいってなくて」って言った可能性は往々にしてある。

 

R で、年末に彼のFacebook覗いて、まだその彼女とうまく行ってるのを発見してジタバタしてたんだっけ。

 

M そう、「5年もまだ付き合ってんの!? ステータス変えてないだけじゃないの!? ヤダヤダヤダヤダ~!」ってジタバタしちゃってる(笑)。

 

好きのパワーバランス

 

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R ディズニーに行くには、どの改札から行くのかな。

 

M うーん、実際にはホームで待ち合わせてたわけだけど、私は八重洲中央口を使ってたから強いて言うなら、ここかな。

 

R お、ここか!

 

M もうやだ~。つらいよ~。でも、今あの場面になっても怒れるかって言ったら、正直自信ないかも(笑)。

 

R そっかー。でも、俺が思ってたより彼氏も悪いなー(笑)。

 

M 私も私でメンヘラだったから、ちょっと重かったとは思う…。

 

R 彼氏としても、もりたから逃げたい感じがあったんだろうね。

 

M ちょっと距離置きたいみたいな。

 

R もりたが重い感じできてて、それよりはサークルでわいわいやってるのが楽しいから、そっちいきたいなってなっちゃったのかも。複数人との約束がある用事ならもりたも文句言わないだろうと踏んでたんだけど、ちょっと文句が出始めたから、余計にサークルの方にいきたくなっちゃったんだろうね。

 

M たぶんそうなんだろうな、とは思うけど…でも、だって会ってくれないんだもん…。

 

R もっと会いたかった?

 

M 会いたいでしょ、そうじゃなくても会えないのにさ、会う時の一回一回も大切にしてもらえなくてさ。

 

R そうだよね。

 

M じゃあ何、私の何が悪いの? …悪いのはわかってるよ、重たいことですよ。…あ、そこから乗ってたと思う。ここは、そういう苛立ちの場所ですよ。悲しみのほうが強いけど。

 

R もりたにとっては決定的に、彼に対して「私よりサークルが大事なんですね」ってなった場所だ。

 

M そう、そういう場所。

 

R 「伝わってなかったですよね、私の気持ちは」ってことだな。

 

M そうだね。好きだったのになぁ~。そこで決定的にすれ違ってたと思う。好きのパワーバランスが取れてないと、すれ違っちゃうから。パワーバランスは私の方が確実に大きくなっちゃってたから。そこでもう駄目だったんだと思う。

 

R 今泉力哉さんっていう、恋愛ものを多く撮ってる映画監督さんが、お互いの想いが50:50で一緒になることは絶対ない、両想いはないって話をしてたんですけど、その感じだよね。

 

M そうだね、一番最初のファーストアタックは多分向こうが多くて、付き合うくらいで同じくらいになって、そこから途中で逆転しちゃって私の方が好きになっちゃったんだろうね。

 

R 最初は向こうからガンガン誘ってきた?

 

M 別にそんな遊ぶつもりとかはなかったけど、「どこか行かない?」とかさ、「鎌倉行こうよ」って言ってきたのも向こうだったから。パワーバランスで言ったら向こうの方が上だよね。

 

R 「そっちが最初に誘ってきたんじゃん!」感もあるよね。

 

M で、彼が煮え切らないから、結局私の方から「もう彼女がいないなら、付き合いたい」って言って、で、付き合えて、そこからはしばらくハッピーな時期が続き。

 

R ちなみにハッピーはどのくらいの期間なんですか?

 

M 1年くらいはハッピーだったんじゃない? お互い1年間は新鮮じゃん。けれど、だんだん会わなくなったりして、お互いに忙しいことも出てきてっていう感じかな。

 

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R あ、ここでしょ? 天井が奇麗なところ。

 

M そう。ここも2人で写真撮ったな。

 

R ここ、「東京ステーションギャラリー」って美術館があるの知ってる?

 

M 知ってる、「一緒に行こうね」って彼と言ってて来なかったから。

 

R 俺、去年初めて来たんだけど、駅のついでにくっついてる雰囲気だからちっちゃいのかなと思ってたら、3階建てくらいなんですよ。

 

M 今、何の展示をやってるんだろう。

 

R 「鉄道絵画発→ピカソ行 コレクションのドア、ひらきます」だって。今日はもう時間的に入れないけど。

 

M まぁ、そんな思い出の場所だったよ。オチがないけど(笑)。

 

R でも、決定的に彼氏に想いが伝わってないことが分かった場所ってことだね、東京駅は。

 

M だから次は、次に付き合った人には怒ろうと思います。怒りすぎも良くないけど。

 

R 飯田橋の彼にはあの時怒れなかったから。

 

M 怒れなかった。怒りたかった。

 

R 「私は嫌だよ」っていうのは言ったほうがいいよね。

 

M うん、次こそは「そっちの気持ちもわかるけど、でも嫌だよ」って、ちゃんと言おうと思う。